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日増しに憶測だけが飛び交う国情院1級人事撤回騒ぎ

日増しに憶測だけが飛び交う国情院1級人事撤回騒ぎ

Posted June. 17, 2023 08:06,   

Updated June. 17, 2023 08:06

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尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が今月初め、裁可から5日目で撤回した国家情報院(国情院)1級人事は、米国と日本大使館の政務2公使に金奎鉉(キム・ギュヒョン)国情院長の側近A氏(2級)が一緒に勤めた国内政治科出身の幹部を任命し、対北朝鮮業務局長級(1級)にもA氏の同期である3級幹部が起用されたためだという。尹大統領は、A氏が人事に過度に介入した疑惑を確認し、直接人事を撤回したという。

A氏が単純に自身と縁のある人物を推薦したレベルを越え、当事者たちが問題を抱えている恐れのある人物だったことが問題になったという話もある。文在寅(ムン・ジェイン)前大統領が平壌(ピョンヤン)を訪問した際、綾羅島(ヌンラド)競技場で行った演説の国情院バージョンを作成した人物と、朴槿恵(パク・グンヘ)政権で当時の国情院長を通さず禹柄宇(ウ・ビョンウ)大統領民情首席秘書官に直接報告した疑惑をもたれている人物が含まれているという。

尹大統領は就任直後、文政権下で任命された1級幹部全員に待機命令を出した後、1級だけでなく2、3級まで交代した。それでも「大統領の裁可撤回」という事態が起きたのは正常ではない。前政権で重用された幹部たちを全員切り離したにもかかわらず、外部から抜擢された外交官出身の国情院長が統制できないほど内部関係が複雑だったり、前政権で重用された幹部たちが徹底的に入れ替えられていないと受け止める強硬派が国情院を揺さぶっていると見るほかない。

国情院には、大統領が内部事情を把握するために起用した側近の検事出身がいる。政権初期、曺尚駿(チョ・サンジュン)元次長検事が企画管理室長に任命されたが、釈然としない理由で国情院長を通さず直接大統領に辞職届を出し、その後再び金南佑(キム・ナムウ)元次長検事がそのポストに任命された。検事出身の室長が連続で任命され、彼らが国情院内部の情報を提供される特定人脈を持つようになり、これが国情院人事の混乱を加重させる要因になったという見方もある。

大統領室の立て札にも書いてあるように、国政の責任は究極的に大統領が負う。同様に、各省庁の責任は省庁のトップが負う。大統領に誤った人事案を提示したのなら、その責任者はA氏ではなく国情院長になる。人事を問題視するなら、国情院長を外して撤回するのではなく、まずは国情院長の責任から追及した上で、人事案を撤回すべきである。この順番が逆になっているのだから「国情院長解任説」などますます憶測だけが飛び交い、国民は国情院で何が起こっているのか戸惑うばかりだ。