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米国務長官5年ぶりの訪中、G2衝突を防ぐ安全弁の設置を注視する

米国務長官5年ぶりの訪中、G2衝突を防ぐ安全弁の設置を注視する

Posted June. 19, 2023 08:20,   

Updated June. 19, 2023 08:20

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ブリンケン米国務長官が18日、中国・北京を訪れた。バイデン政権発足後、米外交トップの初の訪中であり、米国務長官としては5年ぶり。ブリンケン氏は18日、秦剛外相との会談に続き、19日に王毅共産党政治局員と会談する。習近平国家主席に会う可能性もある。両国間では、激化する米中戦略競争の中で緊張を緩和し、衝突を防ぐための「ガードレール(安全装置)」の設置、特にコミュニケーション・チャンネルの構築が核心議題に取り上げられた。

今回の米中高官級戦略対話は、過去数年間続いた米中関係の流れを変えるきっかけになるか、世界中の注目を集めている。悪化の一途をたどる両国の対立が、もはや極端な対立の様相を呈し、武力衝突の可能性まで懸念される状況になったからだ。ブリンケン氏の訪中も、今年2月に予定されていたが、中国の偵察気球侵入事件で延期になり、最近では中国のキューバ盗聴基地運営問題が浮上し、実現しないのではないかという観測の中で難航した。

それだけ今回の米中対話にかける期待は大きいが、現実的に劇的な突破口や関係改善の転換点になることは難しいという見方が多い。中国は会談前から「核心利益の守護」を繰り返し掲げ、米国側も「緊張管理のための対話」とし、期待の水準を下げている。最近、米中央情報局(CIA)長官の訪中と米中外交司令塔間の会談の延長線上で激しい競争が衝突に発展するのを防ぐための最小限の安全装置が最優先で議論された。

米中間の衝突点は一つや二つではない。当面の台湾海峡をめぐる緊張はもとより、ウクライナ戦争に対する中国のロシア軍事支援問題、半導体などの核心技術を守ろうとする米国のリスク除去戦略に至るまで、解決策を見つけることが困難な問題が山積している。ただ、中国も最近、政治的には冷淡だが、経済的には融和的な「政冷経温」の姿勢を示しているため、経済分野の交流をはじめ、関係進展に前向きな態度を示す可能性が高い。

このような米中間の対話のスタートがすぐに実を結ぶことは難しいが、ますます険悪な対立に向かう世界情勢の緊張を多少なりとも下げるきっかけにはなるだろう。米中間の緊張緩和の努力は、最近悪化した韓中対立の流れにも影響を与えるだろう。さらに、米中が議論する衝突防止のための「ゲームのルール」には、北東アジアの最大の懸案である北朝鮮の核問題も欠かせない。韓国はその流れを正確に把握し、機敏に動く必要がある。激変の時期にリードすることはできなくても、落伍することはあってはならない。