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移民を載せた船が地中海で転覆「国籍など差別あった」

移民を載せた船が地中海で転覆「国籍など差別あった」

Posted June. 20, 2023 08:15,   

Updated June. 20, 2023 08:15

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14日(現地時間)、ギリシャ南部のペロポネソス沖で欧州に向かっていた移民を載せた船が転覆し、少なくとも78人が死亡し、500人以上が行方不明となった。船内で国籍・性別・年齢による差別があったという生存者の証言も相次いでいる。

英紙ガーディアンによると、事故当時、船には最大750人が乗船しており、このうちパキスタン出身者が約400人乗っていたという。しかし、救助された生存者104人のうち、パキスタン国籍はわずか12人にすぎない。パキスタン当局は18日、少なくとも300人以上のパキスタン出身の乗船者がこの事故で死亡したと発表した。

同紙は、この移民船内で国籍による差別があった、パキスタン移民の被害が特に大きかったと伝えた。同紙が入手したギリシャ沿岸警備隊の生存者の供述書によると、パキスタン出身者たちは他の国籍の人々とは異なり、デッキの下に追いやられ、そこに閉じ込められた。水を要求したり、脱出を試みたりしたパキスタン出身の移民たちを船員たちが虐待したという証言が相次いだ。

また、生存者の中に女性や子どもは一人もいない。これに対して、船内の男性が過密状態の移民船で女性と子どもを保護してあげると言って船底の荷台に追いやったため、彼らが犠牲になったという証言もある。事故当時、船には約100人の子どもがいたと推定される。

地中海は「死の海」になりつつある。11日現在、国連人権理事会(UNHCR)の集計によると、今年、地中海を渡って欧州に向かう途中で死亡または行方不明になった移民は1037人にのぼる。


キム・スヒョン記者 newsoo@donga.com