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組織が学び、成長する機会…退職時も面談が必要

組織が学び、成長する機会…退職時も面談が必要

Posted June. 30, 2023 08:11,   

Updated June. 30, 2023 08:11

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いろいろな理由で退職を決意したという話を聞く。仕事と育児を両立することが難しいから、体の具合が悪いから、他の道を探すためなど、理由は様々だ。その中で、退職のプロセスがすっきりしていて満足でき、退職したことで会社が良くなったという話はあまり聞かない。

離職や転職が一般的になり、生涯の職場がなくなったということについては誰もがうなずきながらも、退職に対してまだ柔軟でない反応が多い。退職すると言ったら裏切り者の烙印を押された、出て行ってうまくいくかどうか見てやろうと悪く言われたという話は珍しくない。どれほど長く一緒に働いても、一度別れたら二度と会わないような態度は近視眼的な態度だ。韓国社会が狭いからではない。退職した社員の経験を共有しながら組織が学び、成長する機会を逃すことになるからだ。

今日のような知識経済時代には、有能な従業員こそ組織の成功を導く重要な資産である。企業は従業員をよく選び、育成して能力を十分に発揮できるようにするために最善を尽くさなければならない。特に、退職する社員と面談を行い、その結果をもとに組織全体の競争力を磨くことに積極的に取り組まなければならない。

退職面談が与える利点は一つや二つではない。組織運営や文化の面でどのような点を調整・補完すべきか、どのような点を強化すべきかを聞くことができる。もし上司や同僚との関係で困難があったなら、このような問題をどのように解決できるかを考える機会になる。管理職のリーダーシップスタイルについての洞察も得ることができる。退職者に丁重に接し、感謝の気持ちを表せば、彼らは会社の素晴らしいサポーターになることができる。このようなプロセスは、残る従業員にも良い印象を与える。

直接面談するのが難しい場合は、ネットフリックスが運営する「事後メール(postmortem email)」制度を参考にすることができる。ネットフリックスは、会社を去る社員が一緒に働いた同僚にメールを書くようにする。なぜ去るのか、会社で何を学び、問題点は何なのか、今後の計画はどうなのかなどを書く。公開したくない内容まで逐一書く必要はないが、正直に書けるように制度的、文化的に最大限配慮する。

実際、組織を離れるからといって、完全に正直になることは容易ではない。上司が嫌がらせをして辞めると告白できる人も多くないだろう。組織は、より深い話が出るよう様々な装置を活用しなければならない。研究結果によると、直属の上司よりも一段階上の上司と話をする時、より率直な気持ちが出る。一段階上の人という理由だけで警戒心が和らぐのだ。退職直前や直後よりも、1ヵ月ほど時間が経過した後により率直な答えが出るという研究もある。対面の面接を勧める専門家が多いが、電話で行う方が良いと主張する人もいる。何よりも重要なのは、退職面談を通じて得たデータが無意味にならないよう集めて分析し、組織運営に実際に反映するためにシステム化していくことだ。韓国の組織に合った退職面談の形を考えてみてはどうだろうか。