アイデンティティのジレンマに陥った統一部、換骨奪胎の前にロードマップづくりから
Posted July. 04, 2023 08:37,
Updated July. 04, 2023 08:37
アイデンティティのジレンマに陥った統一部、換骨奪胎の前にロードマップづくりから.
July. 04, 2023 08:37.
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統一部が揺れている。内部では統一部の廃止まで議論された昨年の尹錫悦(ユン・ソクヨル)政府発足前よりも落ち着かないムードだという。ある当局者は、「統一部廃止の話が出た時は、会社(統一部)がなくなることさえ防げば、まだ道は見えた」とし、「今は道が途絶えてなくなったようだ」と吐露した。統一部のホームページに記載された統一部の「任務」はこうだ。「統一及び南北対話・交流・協力・人道支援に関する政策の樹立、北朝鮮情勢分析、統一教育・広報、その他統一に関する事務を管轄する」。これは政府組織法第31条で統一部長官の任務として規定された内容でもある。統一部が揺れているのは、このようなアイデンティティが揺れているからだ。先月29日に指名された金暎浩(キム・ヨンホ)統一部長官候補は、指名発表直後に「原則を持って北朝鮮核問題を履行する」と述べた。尹政府の初代統一部長官である権寧世(クォン・ヨンセ)長官は、就任演説で「北朝鮮と条件のない協力を展開していく計画」と述べたが、「対北朝鮮強硬派」の金氏は指名初日から「原則」を掲げたのだ。北朝鮮の人権問題などで超強硬な圧力をかけると表明したわけだ。統一部は今回、次官まで「人権専門家」で米国通の外交官が任命された。大統領室の統一秘書官まで統一部出身ではない人物が入れ替わったことで、統一部内部では「従来の統一部の役割に対する不信感」という声が上がり、不安感が増幅した。このような不穏なムードに拍車をかけたのは、2日に発表された尹大統領のメッセージだ。尹大統領は、「これまで統一部はまるで対北朝鮮支援部のような役割をしてきた。それではいけない」と述べ、統一部に換骨奪胎を注文した。大統領室関係者は「北朝鮮の挑発にも傍観し、対話だけを求めた統一部の慣性的な行動に対して、大統領が不快感を抱いているのは事実」とし、「大統領のメッセージはむしろ『トーンダウン』した」と話した。別の関係者は「統一部が解体レベルの改編を迎えることになるだろう」と述べた。実際、「統一部無用論」は昨日今日のことではない。特に南北関係が硬直するたびに、南北交流協力に重きを置く統一部に対する叱責は政府の内外から出された。それだけに、「無用論の渦」から抜け出すには、統一部のアイデンティティの再定義に対する苦慮が必要なのは事実だ。北朝鮮が露骨に核脅威のレベルを高めているのに、競走馬のように対話だけを眺めていても困る。統一部内部でも、このような変化の必要性に共感しているという声が出ている。ただ、不満と不安の声が大きいのも事実だ。「北朝鮮に対する不満を統一部にぶつけるのではないか」という疑問から、「これまで南北関係に貢献してきた統一部の存在自体を否定された気分」という自責の念まで聞こえてくる。結局、問題は計画とスピードだ。個人が体質改善に取り組む時も、事前計画と柔軟な速度調整が必要だ。ましてや1969年に設立された統一部という巨大組織だ。緻密な方向性に対する内部共有なく「問題組織」というレッテルを貼ると不必要な内部反発を招く。統一部の体質を改善し、アイデンティティまで変えるには、金氏はまず綿密なロードマップを設けなければならない。この過程で内部構成員との積極的な交流も欠かせない。
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統一部が揺れている。内部では統一部の廃止まで議論された昨年の尹錫悦(ユン・ソクヨル)政府発足前よりも落ち着かないムードだという。ある当局者は、「統一部廃止の話が出た時は、会社(統一部)がなくなることさえ防げば、まだ道は見えた」とし、「今は道が途絶えてなくなったようだ」と吐露した。
統一部のホームページに記載された統一部の「任務」はこうだ。「統一及び南北対話・交流・協力・人道支援に関する政策の樹立、北朝鮮情勢分析、統一教育・広報、その他統一に関する事務を管轄する」。これは政府組織法第31条で統一部長官の任務として規定された内容でもある。
統一部が揺れているのは、このようなアイデンティティが揺れているからだ。先月29日に指名された金暎浩(キム・ヨンホ)統一部長官候補は、指名発表直後に「原則を持って北朝鮮核問題を履行する」と述べた。尹政府の初代統一部長官である権寧世(クォン・ヨンセ)長官は、就任演説で「北朝鮮と条件のない協力を展開していく計画」と述べたが、「対北朝鮮強硬派」の金氏は指名初日から「原則」を掲げたのだ。北朝鮮の人権問題などで超強硬な圧力をかけると表明したわけだ。統一部は今回、次官まで「人権専門家」で米国通の外交官が任命された。大統領室の統一秘書官まで統一部出身ではない人物が入れ替わったことで、統一部内部では「従来の統一部の役割に対する不信感」という声が上がり、不安感が増幅した。
このような不穏なムードに拍車をかけたのは、2日に発表された尹大統領のメッセージだ。尹大統領は、「これまで統一部はまるで対北朝鮮支援部のような役割をしてきた。それではいけない」と述べ、統一部に換骨奪胎を注文した。大統領室関係者は「北朝鮮の挑発にも傍観し、対話だけを求めた統一部の慣性的な行動に対して、大統領が不快感を抱いているのは事実」とし、「大統領のメッセージはむしろ『トーンダウン』した」と話した。別の関係者は「統一部が解体レベルの改編を迎えることになるだろう」と述べた。
実際、「統一部無用論」は昨日今日のことではない。特に南北関係が硬直するたびに、南北交流協力に重きを置く統一部に対する叱責は政府の内外から出された。それだけに、「無用論の渦」から抜け出すには、統一部のアイデンティティの再定義に対する苦慮が必要なのは事実だ。北朝鮮が露骨に核脅威のレベルを高めているのに、競走馬のように対話だけを眺めていても困る。
統一部内部でも、このような変化の必要性に共感しているという声が出ている。ただ、不満と不安の声が大きいのも事実だ。「北朝鮮に対する不満を統一部にぶつけるのではないか」という疑問から、「これまで南北関係に貢献してきた統一部の存在自体を否定された気分」という自責の念まで聞こえてくる。
結局、問題は計画とスピードだ。個人が体質改善に取り組む時も、事前計画と柔軟な速度調整が必要だ。ましてや1969年に設立された統一部という巨大組織だ。緻密な方向性に対する内部共有なく「問題組織」というレッテルを貼ると不必要な内部反発を招く。
統一部の体質を改善し、アイデンティティまで変えるには、金氏はまず綿密なロードマップを設けなければならない。この過程で内部構成員との積極的な交流も欠かせない。
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