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北朝鮮、「大韓民国」と呼称して米軍機「撃墜」警告、北朝鮮の策動を警戒する

北朝鮮、「大韓民国」と呼称して米軍機「撃墜」警告、北朝鮮の策動を警戒する

Posted July. 12, 2023 08:12,   

Updated July. 12, 2023 08:12

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北朝鮮が、米軍偵察機の「無断侵犯」に対抗する行動を警告し、緊張を高めている。国防省報道官が10日午前、米軍偵察機が8日間連続で北朝鮮領空を侵犯したとして「撃墜」を示唆したのに続き、深夜には金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党副部長が、米軍偵察機が再び「経済水域上空」を侵犯し、戦闘機が対応出撃したとして、「必然的に衝撃的な事件が発生するだろう」と警告した。与正氏は11日には「大韓民国軍部」に向けて「我が軍と米軍との間の問題に身の程知らずにも関わるな」と述べた。

北朝鮮の米軍機の脅威は、最近、軍事偵察衛星の打ち上げ失敗で体面を失った後、新たな挑発の大義名分を見つけようと緊張を高める策動である可能性が高い。米軍の戦略兵器の頻繁な出没に悩まされている状況から出た生存策かもしれない。ただし、北朝鮮が「主権侵害」云々する排他的経済水域(EEZ)上空は、領空と違って飛行の自由が認められており、米偵察機の通常の飛行経路だったという。突然強引な主張を展開し、過去の撃墜事例まで持ち出して脅迫するのは、別の狙いがあるのだろう。しかも、日本のEEZ内に堂々とミサイルを発射していた北朝鮮が言うことではない。

そのような北朝鮮の常套的な脅迫策よりも、南北関係を新たに規定しようとする試みが目につくのが事実だ。北朝鮮は従来の「南朝鮮」という呼称の代わりに「大韓民国」と呼び、南北関係を国家対国家、それも敵対的な関係と見る考えを明らかにした。与正氏は10日、「南朝鮮傀儡軍部」と「大韓民国合同参謀本部」「大韓民国の輩(やから)」と言い、11日には「南朝鮮」という表現を使わずに「大韓民国」とだけ言及した。最近では、現代(ヒョンデ)グループの玄貞恩(ヒョン・ジョンウン)会長の訪朝推進が報じられると、祖国平和統一委員会(祖平統)のような対南機構ではなく、外務省が出てきて拒否した。

北朝鮮の「大韓民国」呼称が相手を尊重する態度から出たのなら喜ばしいことだが、その意図は正反対だろう。北朝鮮は過去、口癖のように「我が民族同士」を掲げていた。しかし、2019年の米朝交渉決裂後、北朝鮮から「民族」は消された。党書記局で対南書記のポストがなくなり、祖平統の存在もどこにもない。今、北朝鮮は「敵対的外国」である大韓民国を相手にどのような挑発と陰謀を画策するか分からない。徹底して警戒し、確固な備えが必要だ。