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ファーストフード店のアルバイトを追い出した米国のAI店員たち

ファーストフード店のアルバイトを追い出した米国のAI店員たち

Posted July. 12, 2023 08:14,   

Updated July. 12, 2023 08:14

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米ファーストフードチェーンの「ホワイトキャッスル」の店員のジュリアさんは、会社の自慢だ。お客さんにチーズの入ったハンバーガーにアップグレードすることを勧め、飲み物も高いシェイク類をよく売っている。たまに顧客の注文を聞き取れないが、会社側は「ますます良くなるだろう」と満足している。他のファーストフードチェーンの「デルタコス」も、今年、高いオプションメニューをよく売る店員を採用した。この「店員」たちは皆、人工知能(AI)基盤の音声認識システムでドライブスルーの注文を受け持っている。

10日、ブルームバーグ通信によると、米ファーストフード企業は、ドライブスルーのAIシステムを増やしている。先月グーグルと手を組んで「AI店員」を取り入れたウェンディーズをはじめ、マクドナルドやホワイトキャッスル、デルタコス、カールスバーガージュニアのような大型ファーストフード店舗で、AI活用の注文方法をテストしている。

正確に顧客の音声を認識できない事例は少なくないが、企業はAI店員が「恥ずかしがらずに営業する」として売上増大を期待している。AI注文システム製作会社のプレストオートメーション側は、ブルームバーグに対し、「AI店員は、そのほとんどがすべての注文を受ける時、80%は高いオプションを勧めるよう考案されている」と話した。人間と違って、気兼ねなく高いものの注文を要求できるという話だ。

テスト段階なので、AI店員の後ろに人間の店員がいて、顧客と問題が生じた時は介入して注文を引き受ける。米紙ウォールストリートジャーナル(WSJ)によると、ホワイトキャッスルのジュリアは、10回のうち3回は人の助けが必要だった。AIというより、人間の基礎的言葉を理解する自動化機械の水準だという批判もあるが、1週間に40時間以上必要な労働力を減らしているとプレスト側は説明する。

新型コロナのパンデミックを機に、キオスク端末がほぼすべてのファーストフード売り場に導入されたのに続き、AIが言葉で言う注文まで引き受けることになれば、今後、売場での人員は激減するという懸念もある。マクドナルドは、テキサス州で完全無人店舗を実験的に運営している。

ブルームバーグは、「外食産業は、米雇用の8%を占める主要雇用産業だが、AI導入が増え、ファーストフード店の店員らはますますAIに代替されるコールセンターの職員のような運命に直面しかねない」と見通した。


金玹秀 kimhs@donga.com