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アレクサンドロスの生存闘争

Posted July. 18, 2023 08:26,   

Updated July. 18, 2023 08:26

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アレクサンドロスはすべての戦闘で、先頭に立って戦った。筆者は、アレクサンドロスが夭折したのは、怪我の後遺症だと考える。胸の骨に矢が刺さった最後の負傷は、死ぬと思われるほどの重傷だった。これ以前にも、アレクサンドロスは無数の傷を負った。アレクサンドロスは兵士の前で全身の傷跡を見せ、私より傷が多い者は出てこいと言ったほどだった。

そのように猛烈な戦闘を繰り広げると、戦死する危険よりも大きな危険がある。敗戦の危険だ。戦惶とは大局を見失い、目の前の戦闘に夢中になってしまうことだ。ところが、アレクサンドロスは先頭で白兵戦を繰り広げながらも、戦闘の全体状況を読み、対応する能力が優れていたという。 

アレクサンドロスの立場では仕方のない選択だった。全兵士を率いて征服戦争を行うには、自分が直接軍を率いる必要があった。他の者に最強の軍隊を任せて、降伏したらどうしようもない。戦場に自分が直接軍隊を率いて行っても、多数の敵と危険な戦いを繰り広げている状況で指揮官が自信を失えば、降伏して敵と手を組むこともある。

アレクサンドロスの不思議な能力は神が与えた才能ではなく、生存のための自身の必死の努力と闘争だった。民主化された社会ほど力で政府を破壊できるとしても、統治するのは難しい。戦争の英雄がリーダーになるケースはよくあるが、この場合も力ではなく、国民の人気と信頼を通じてだ。一方、まだ民主主義が定着していない社会では、軍部の長期独裁が続いたり、クーデターが絶えなかったりする。指揮官が権力を握った瞬間、軍隊、兵士との直接的な連携が切れ、その瞬間に権力基盤が失われる。

プリゴジン氏の武装蜂起以降、ロシアの動向に世界の注目が集まっている。様々な憶測が飛び交っているが、結果は様子を見るほかない。しかし、明らかな事実は、国の停滞と政治現象はその国の国民の政治的民度と無関係ではないということだ。今回の事件は、ロシアの理解に重大な指標となるだろう。ロシアの動向が興味深い理由だ。