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ドナネマブがアルツハイマー病の初期進行を35%遅らせる

ドナネマブがアルツハイマー病の初期進行を35%遅らせる

Posted July. 19, 2023 08:34,   

Updated July. 19, 2023 08:34

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アルツハイマー病による認知機能の低下を遅らせる治療剤が相次いで開発されている。現在、臨床3相を進めているグローバル製薬会社「イーライ・リリー」の新薬「ドナネマブ」が、アルツハイマーの初期進行を遅らせることが、17日(現地時間)、医学ジャーナル「米国医学協会誌」に報告された。

イーライ・リリーのジョン・シムズ博士チームによると、初期のアルツハイマー症状を見せた平均年齢73歳の患者1736人を対象に臨床試験を行った結果、ドナネマブを服用した患者は偽薬を服用した患者比認知低下の速度が約35%遅いことが分かった。

記憶力および思考力の減退が現れた初期状態で直ちに薬物治療を始めれば、認知症の進行を60%近く遅らせることができるというデータも、新たに公開された。イーライ・リリーは同日、米食品医薬品局(FDA)の承認のために、ドナネマブを提出したと発表した。結果は今年末頃に出る見通しだ。

ドナネマブが正式承認を受けると、2021年に条件付きの承認を受けた「アデュカヌマブ」と今月6日に正式承認を受けた「レカネマブ」に続き、3度目の認知症治療剤が誕生する。

現在、学界では脳内で「アミロイド」という物質が凝集され「塊」を成した「アミロイドプラク」が、神経細胞の機能を妨害しアルツハイマーを誘発すると知られている。この3つの治療剤は、いずれもアミロイドを除去する作用を活用した。ただ、まだ初期患者にのみ効果が現れ、脳出血や脳浮腫などが現れる可能性があるという限界がある。このため、FDAはレカネマブに対して最も高い危険警報である「ブラックボックス警告」を下した経緯がある。ドナネマブもまた、一部の投薬患者から脳浮腫や出血などの副作用が発生した。

韓国企業も、認知症治療剤の開発に取り組んでいる。細胞治療剤の開発企業「NKマックス」は16日(現地時間)、オランダのアムステルダムで開かれた「2023アルツハイマー協会の国際会議」で自社の候補治療剤「SNK01」の臨床1相の中間結果を公開し、安全性と有効性を確認したと明らかにした。バイオメーカー「アリバイオ」は、経口用認知症治療剤の候補物質の臨床3相を進めている。


チョン・ナムヒョク記者 forward@donga.com