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財政不良で米国債が12年ぶりに格下げ、「千兆ウォン借金」韓国は他人事ではない

財政不良で米国債が12年ぶりに格下げ、「千兆ウォン借金」韓国は他人事ではない

Posted August. 03, 2023 08:19,   

Updated August. 03, 2023 08:19

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世界3大格付け会社の一つであるフィッチが、米国債の格付けを最高のトリプルA(AAA)から「AA+」に一ランク引き下げた。フィッチ基準では1994年以降29年ぶりのことであり、3大格付け会社の基準では、スタンダード&プアーズ(S&P)の2011年の格下げ以来12年ぶりのことだ。米国債の格付けを最高とする格付け会社は、ムーディーズ1社だけだ。国債格付けの下落で、米国は国債を発行して借金をする際、さらに高い利息を払わなければならない。

フィッチが米国債の格下げに踏み切ったのは、今後3年間、米連邦政府の財政悪化や負債負担の増加が予想されたためだ。米政府は、議会で負債限度の承認を受ける度に、激しい対立が繰り返されるという点も理由に挙げられた。現在、米国債の国内総生産(GDP)比国家負債比率は112.9%で、2019年の100.1%から急激に上昇した。新型コロナのパンデミックへの対応のために膨大な資金を供給し、政府支出が急激に増えたためだ。

ジャネット・イエレン米財務長官は、「恣意的な判断に過ぎない」と反発した。しかし、最高の安全資産である米国債の金利上昇とこれによる国際金融市場の混乱は避けられなくなった。12年前、S&Pの格下げの際、米株価は1週間で15%、韓国は17%下がった。フィッチが格下げの可能性を予告してきたため、衝撃は少ないだろうという評価もあるが、韓国国内外の株価は弱含みを見せた。

グローバル経済第一位国であり、最大基軸通貨国の格付けが韓国に示唆するところは明らかだ。国の財政が悪化すれば、その代価を払うことになるということだ。韓国の国家債務は5年間で400兆ウォン以上増加し、今年は1100兆ウォンを超える。増加速度が先進国の中で一番速い。世界最高水準の家計負債、急速な高齢化も格下げの要因だ。さらに、最近は成長のエンジンである輸出にも問題が生じている。潜在成長率も下落し、2030年頃は1%台に下がる見通しだ。

韓国は、経済協力開発機構(OECD)の加盟国の中では珍しく、国家債務を統制する規律のない国だ。格付け会社は財政赤字を年間GDPの3%以内に統制する政府の財政準則案の導入を積極的に勧告する。しかし、政界が積極性を見せず、国会での可決は遠のいている。来年の総選挙を意識した野党は、税金が減少して赤字が大きくなるにもかかわらず、国の借金をさらに増やしてさらに数十兆ウォンを市場に供給しようとしている。こうした無責任な政治が続けば、「AA-」である今の格付けも危うくならざるを得ない。