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台風6号が韓半島上陸、「全国に安全な所はない」

台風6号が韓半島上陸、「全国に安全な所はない」

Posted August. 10, 2023 08:25,   

Updated August. 10, 2023 08:25

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最近、集中豪雨による水害復旧の真っ最中である中、台風6号が雨と雲を伴って韓半島に上陸する。気象庁によると、台風6号は今日午前、南海岸に上陸後、忠清北道清州(チュンチョンブクド・チョンジュ)を経て、夜遅く首都圏を通り、北朝鮮地域に抜けると予想される。韓半島の内陸を通過する台風は、1951年の気象観測以来初めてだ。南北を縦断する台風6号の予想進路を見れば、「どの地域も、安全なところがない」という気象庁の発表どおり、全国が影響圏内に入っていることを実感する。

これまでの台風は、風が強いと雨の量は少なく、大雨を伴うと風は弱くなるものだった。ところが、今回の台風6号は、大雨と強風を同時にもたらす見通しだ。従来の台風の約半分の移動速度でゆっくり北上し、高い水温の海から多量の水蒸気を吸い込み、激しい豪雨並みの雨を降らせるという。特に台風の右側地域である江原道嶺東(カンウォンド・ヨンドン)と嶺南(ヨンナム)地域には、最大で400~600ミリの水爆弾が予想される。台風は通常、上陸後は速度が落ちて勢力が弱まるが、今回の台風は、内陸の中央を通過する上、さらされる時間が長く、強風の被害にも警戒を緩められなくなった。

予想進路と勢力ともに、かつて経験した台風とは異なるだけに、備えの態勢も変わらなければならない。昨年9月、台風11号が嶺南地域だけを襲ったにもかかわらず、慶尚北道浦項(キョンサンブクド・ポハン)のマンションの地下駐車場などが浸水し、9人の人命被害が出た。地下車道や半地下住宅など、浸水に脆弱な地下空間の排水と遮水施設を点検しなければならない。最近、ゲリラ性豪雨で土砂崩れが発生した慶尚北道地域は、地盤が弱くなっており、今回の台風で追加崩壊の可能性もある。気象状況によっては、先制的な避難で人命被害を防がなければならない。都心地域も浸水対策はもちろん、屋外施設物や看板などが強風に飛ばされないよう、安全措置を取っておかなければならない。

先月の集中豪雨で50人近くが死亡し、膨大な財産被害を受けた記憶がまだ生々しい。特に、14人の犠牲者を出した忠清北道五松(チュンチョンブクド・オソン)の地下車道浸水事故は、中央および地方政府と警察、消防のいずれか1ヵ所でもマニュアル通りに行っていれば避けられた惨事だった。今回はそれよりさらに雨雲と強風が内陸を通過する緊急状況だ。天気の変化と海岸および河川の状況をモニタリングしながら、住民と交通統制など迅速かつ先制的な対応で被害を最小化しなければならない。