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キャンプデービッドの「場代」は違う

Posted August. 16, 2023 08:22,   

Updated August. 16, 2023 08:22

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休暇で滞在している米国でも、今週18日に開催されるキャンプデービッドでの韓米日首脳会談の話をよく耳にする。ワシントン特派員時代、遠くから見たキャンプデービッドは、米国でも意味が独特だ。韓国で大統領が休暇に滞在する猪島(チョド)、や青南台(チョンナムデ)のような場所ではない。ホワイトハウスからヘリコプターで30分離れたここの別の名称は、「secluded presidential retreat」、つまり大統領の秘密の休養地だ。ホワイトハウスのオーバルオフィスとは違い、癒しと思索の空間だ。ホワイトハウスは観光ツアープログラムがあり、外で写真を撮ることもできるが、キャンプデービッドは海兵隊が警備する施設なので、一般人は近づけない。

歴代の多くの米大統領がここを訪れた。バイデン大統領は家族の集まりをしたり、アフガニスタン撤退軍を指揮したり、自分の血筋であるアイルランドのアイスホッケーチームの勝利を祝った。今年だけで公式に8回訪れた。トランプ前大統領は、娘イヴァンカさんの結婚10周年パーティーを行った。ジミー・カーター政権時代、エジプトとイスラエルを仲介した「キャンプデービッド協定」など多くの外交的対話ができたのも、空間が与える特別感のおかげだろう。

そのような場所を尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が訪問する。韓国大統領としては、2008年にブッシュ大統領とゴルフカートに乗った李明博(イ・ミョンバク)大統領以来15年ぶり。バイデン政権で外国首脳としては初めてだ。それだけ異例の会談であり、どのような議論が行われるか関心が集まっている。外交関係者の伝言を総合すると、会談に参加する3ヵ国を除いて最も大きな関心を示しているのは中国だ。バイデン氏が中国を牽制する韓米日3角軸を作ろうとキャンプデービッドを開放したからだ。

米政府内の流れを比較的正確に伝える米政府系放送局のボイス・オブ・アメリカ(VOA)の最近の報道を見ると、バイデン氏の「キャンプデービッド招待請求書」の内容を推測することができる。韓米日首脳会談の定例化、軍事情報共有の強化よりも、筆者は台湾関連の部分に注目する。ホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)大量破壊兵器担当調整官を務めたゲーリー・セイモア氏はVOAのインタビューで、「米国は武力使用を通じて台湾の現状を変更しようとするいかなる努力にも反対するという文言がキャンプデービッド首脳会談の声明に含まれることを望むだろう」と明らかにした。大西洋評議会のトーマス・シンキン専任研究員は、「(北朝鮮の核など)韓半島の有事の問題と台湾海峡問題は完全に分離された問題ではない」と主張した。台湾で軍事的事態が発生した場合、在韓米軍投入を議論する可能性もあるというニュアンスだ。

いくら中国とぎくしゃくしても、北京が最も敏感に感じる台湾問題を韓米日首脳会談の合意文の形で公式化するのは別の問題だ。そのためか、大統領室関係者も記者会見で、「韓米日が中国を敵視するとか、中国のためにこのように(協力)するというような表現は(今回の声明に)ないだろう」と線を引いた。

しかし、私たちは最近、いくつかの首脳会談が龍山(ヨンサン)の期待とは少し違ったことを覚えている。誰かの誤りというよりも、実際の首脳会談が準備過程と100%一致することはあり得ないためだ。

外交専門家らは、キャンプデービッドという特別な空間で米日首脳と会う尹大統領が、依然として中国の台湾関連問題で強い圧力を受ける可能性があると見ている。岸田文雄首相は、福島第一原発の処理水海洋放出を前に、バイデン氏の支持を得るために中国問題にさらに同調するだろう。西側陣営の核心国家として認められる機会であり、米国主導の対中制裁路線にさらに加わるかどうかを決定しなければならない挑戦だ。尹大統領はキャンプデービッド訪問の意味を肝に銘じて会談に臨むことを望む。