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18の年金改革案を出して終わった委員会、政府が統一案を示すべきだ

18の年金改革案を出して終わった委員会、政府が統一案を示すべきだ

Posted August. 21, 2023 08:51,   

Updated August. 21, 2023 08:51

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政府の諮問機関である国民年金財政計算委員会が合意に至った年金改革案を出せず、年金改革の推進力が低下するとの懸念が浮上している。納める金額(保険料率)は引き上げ、後で受け取る金額(所得代替率)はそのまま維持するという骨子だが、具体的な保険料率と受給開始年齢については、20近いシナリオを優先順位もなく出すだけで終わったからだ。

財政計算委は、所得代替率を現行のまま40%とし、月収の9%である保険料率を12%、15%、18%に引き上げる3つの案を提示した。さらに、受給開始年齢は現在の65歳から66歳、67歳、68歳に遅らせる案を出した。これだけでも改革案の場合の数は9つになる。これに基金運用収益率の2つの案を組み合わせると、シナリオは18種類に増える。昨年11月から20回以上会議を行っても、拙速な改革案しか出さなかったことになる。2018年、財政計算委は2つの案を提示した。当時より基金の枯渇時期が早まり、年金改革の緊急性が大きくなったことを考えると、専門家集団の無責任さには失望させられる。

現在4.5%と仮定している年平均の基金運用収益率を年金改革案で5%と5.5%に上方修正したことも専門家らしからぬ決定という批判が出ている。基金運用収益率が基本仮定より0.5ポイント上がると基金枯渇時期が2年、1ポイント上がると5年遅くなる。この10年間の年平均基金運用収益率は4.9%で、収益率を引き上げる必要があるのは事実だが、今後70年間、収益率の仮定を一括して0.5ポイント上げるのは現実性に欠けるという指摘だ。

財政計算委が年金改革に関する勧告すら出せずに活動を終了したため、改革案の策定責任は政府に移ることになった。前政権は「4肢択一型」改革案を出し、年金改革に弾みがつかなかった。現政府は教育、労働とともに年金改革を3大改革課題として提示したのだから、10月までに統一案を提示し、国会は立法の義務を果たすことを望む。政府は国会に、国会はまた政府に爆弾を回すように年金改革の政治的負担を転嫁している間に、国民が支払わなければならないコストだけが膨らんでいる。