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官僚組織はどのようにジャンボリーを台無しにしたのか

官僚組織はどのようにジャンボリーを台無しにしたのか

Posted August. 31, 2023 08:13,   

Updated August. 31, 2023 08:13

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セマングム世界スカウトジャンボリーは、紆余曲折の末、11日に終了した。150ヵ国以上から集まった3万5千人以上の青少年が暑さの中で「サバイバルゲーム」を行ったが、大会は事実上中止となった。ジャンボリー事態の再発を防ぐためには、白書を残す必要があった。東亜(トンア)日報は、大会の準備と運営を担う関係機関の前・現職責任者をインタビューした。予想に反して、一人も反省しなかったため、白書は書けなかった(本紙8月14日付A1面)。

与野党は公然と「他人のせい」にする。与党は「全羅北道(チョンラプクト)と前政権がセマングムの開発にジャンボリーを利用した」とし、野党は「女性家族部と現政権の準備が不十分だった」と主張する。冷静に考えてみよう。セマングム新空港の予備妥当性調査が免除されたため、トイレが汚かったのか。女性家族部は廃止される省庁なので、腐った卵が提供されたのか。政争が過熱すればするほど、ジャンボリー事態の本質から遠ざかる。

ジャンボリーの失態の本当の原因は何か、組織委員会、執行委員会、韓国スカウト連盟関係者にもう一度尋ねた。責任には及び腰だが、共通の答えがあった。「公務員がやるべきことをやらなかった」。

ジャンボリー事態は「官災」だったと話した。関係者らは、「現場で問題解決を要請しても、組織委員会は主人のように振る舞って動かなかった」、「前・現政権を代理する2人の共同組織委員長の間に対立があった」、「韓国スカウト連盟、全羅北道、女性家族部の間に意思疎通がなかった」と話した。

ジャンボリーで医療ボランティアをした医師は、「官僚組織がこれほど硬直しているとは知らなかった。現場の状況に迅速に対応する必要があるが、誰も責任ある答えを出さなかった」と話した。1年前、ジャンボリーの失態を予測した最大野党「共に民主党」の李源澤(イ・ウォンテク)議員は、「トイレの衛生問題は、複雑な政策的事案なのか、莫大な予算を必要とするのか」と問いかけた。

セマングム世界ジャンボリーは、政府と地方自治体などの「官」が、韓国スカウト連盟などの「民」を圧倒するという奇妙な構造で開催された。本来、世界ジャンボリーは、若者がグローバル市民に成長するよう自らを鍛える機会を提供するイベントだ。民間の自律性と創造性が重要であり、官僚組織は支援するだけでよかった。

しかし、女性家族部、行政安全省、文化体育観光省が参加した肥大化した組織委員会が結成された。執行委員会は、セマングム開発という課題を抱えている全羅北道とは別に構成された。政治的意図が介入し、怠惰な官僚組織がそれを傍観し、「ジャンボリー事態」をもたらしたのだ。

最近報じられた韓国スカウト連盟の議事録によると、ドイツは「開営式が大勢の人を管理できなかったため危険をもたらした」と指摘し、早期撤収を示唆した。これに対し、金賢淑(キム・ヒョンスク)女性家族部長官は、「6日のコンサートに500人の警備員を配置する」と答えた。これに対し、ポルトガルは、「増援が重要なのではなく、しっかり働くことが重要だ」と指摘した。

なぜ公務員は動かなかったのか。開営2日目の4日、韓悳洙(ハン・ドクス)首相は、キャンプ場のトイレを拭いた。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は、「冷房バスと冷蔵・冷凍トラックの無制限の供給」を命じた。その時やっと公務員たちは一心不乱に動き始めた。これまでジャンボリーの現場にリーダーシップが欠如していた証拠だ。組織委員長が何人いても、ジャンボリーの主務省庁は女性家族部であり、そのトップは金長官だ。金長官は、ジャンボリー事態後、一度も責任ある説明をしていない。