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頓挫した義務警察再導入、誰の責任なのか

頓挫した義務警察再導入、誰の責任なのか

Posted September. 07, 2023 08:24,   

Updated September. 07, 2023 08:24

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最近、与党関係者から韓悳洙(ハン・ドクス)首相が直接発表した「義務警察(義警)再導入」方針が事実上とん挫し た背景について話しを聞いた。

韓氏は先月23日、凶悪犯罪対策を発表する対国民談話で、「義警制の再導入を前向きに検討する」と明らかにした。しかし、一日で首相室は、「警察人材を現場中心に再配置し、追加補強が必要であれば再導入も検討するという趣旨だった」と説明した。説明資料を配布して「前向きに検討する」という言葉を拾い上げ、程度を下げたのだ。

首相が直接「前向きに検討する」と言えば、「推進する」という意味で受け取るのが通例だ。韓氏は発表当時、「国民の安全な日常と生命を必ず守るという政府の覚悟」とまで強調した。

韓氏の言葉にもかかわらず、李鐘燮(イ・ジョンソプ)国防部長官は先月25日、国会国防委員会全体会議に出席し、義警再導入の議論をめぐって「簡単に同意する事案ではない。具体的に協議したことはない」と線を引いた。兵力資源が不足して廃止した義警制度を復活させることはできないという趣旨だった。

首相が直接発表した事案をめぐってハプニングが起きた理由について、与党関係者は、「政府内の見えない軋轢が作用した結果」と伝えた。そして、「企画財政部出身者が重用された最近の長官・次官級人事の発表後、企画財政部長官出身の韓首相に力が集中することを牽制しようとするムードが生まれた。このような流れで、政権の有力人物が義警再導入の議論にブレーキをかけた」と話した。

実名まで具体的に言及した同関係者の説明に対し、大統領室関係者は、「そのような話を聞いたことはあるが、根拠のない小説だ」と一蹴した。別の大統領室関係者は、「朝鮮時代の党派争いで出てくるような言葉まで登場するのは、それだけ義警再導入議論の発表と覆される過程がスムーズではなかったからだ」と話した。

首相室の思惑も気になる。しかし、首相室関係者は、「首相が国会予算決算特別委員会に出席して答弁した通り、義警再導入の検討が白紙化されたわけではない」と話した。与党「国民の力」関係者は、「首相室側が対国民談話の発表に同席した尹熙根(ユン・ヒグン)警察庁長が8千人という数字を言及し、事が大きくなったと不満を漏らしたと聞いた」と話した。当時、尹熙根氏は、「8千人程度で運営する案を関係省庁と協議する」と話した。

互いを非難する状況に警察も不快感を露わにした。ある警察関係者は、「相次ぐ強力犯罪が国民の生命を脅かす厳しい状況で、警察組織の論理のために過度に義警の再導入を主張したというのは話にならない」とし、「言いたいことはたくさんあるが、今は何も言えない」と話した。

政府が覚悟を持って凶悪犯罪対策として出した義警再導入の議論は結局、なかったことになりそうだ。治安政策は国民の生命と財産を守ることだ。少なくとも治安に関しては、政府が不安に思う国民を安心させるために行った発表を覆し、かえって不信感が増すようなことが二度とあってはならない。