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独走していた自動車産業、労組リスクに「急ブレーキ」の危機

独走していた自動車産業、労組リスクに「急ブレーキ」の危機

Posted September. 13, 2023 08:41,   

Updated September. 13, 2023 08:41

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韓国の月別輸出額が、昨年10月から今年8月まで11ヶ月連続で前年同月比「マイナス」成長を記録している。主要輸出品目が軒並み低迷しているためだ。

半導体景気の墜落で、「大韓民国のツートップ企業」である三星(サムスン)電子とSKハイニックスは、これまで見られなかった成績表を受け取っている。造船業界のビッグ3であるHD現代(ヒョンデ)重工業、三星重工業、ハンファオーシャンは、最近2年間受注好況を享受したが、財務諸表に完全に反映されるまでには時間が少しかかる。精油会社と石油化学会社は、国際原油価格の上昇と下落によって業績が不安定だ。

このような状況で、韓国をどん底から救った「1等功臣」は自動車産業だ。8月だけでも自動車輸出額は52億9000万ドル(約7兆ウォン)で、昨年8月より28.7%伸びた。14ヵ月連続で成長している。半導体(マイナス20.6%)や石油化学(マイナス12.0%)、石油(マイナス35.3%)、無線通信(マイナス7.8%)などの減少分をなんとか挽回した。

企業の業績もよい。現代自動車の第2四半期(4~6月)の売上は42兆2497億ウォンで、前年同期より17.4%伸びた。営業利益は4兆2379億ウォンで、42.2%も跳ね上がった。起亜(キア)自動車の成長傾向はさらに大きい。売上高が26兆2442億ウォン、営業利益は3兆4030億ウォンで、前年同期比それぞれ20.0%と52.3%が伸びた。両社とも、四半期ベースで最高の業績を達成した。

昨年上半期(1~6月)までは、「韓国に半導体がなかったら大変なことになっただろう」という自嘲が多かった。今は、「自動車がなかったら」という仮定がより頻繁に聞こえるほどだ。

そのような自動車の疾走がしばらく止まる危機に直面した。ブレーキを握っているのは、グローバル競争会社でも外部経営環境でもない内部の労働組合だ。

現代自動車と起亜労使は昨年まで、それぞれ4年連続と2年連続の無紛争で賃金および団体交渉を妥結した。ところが今年、全国民主労働組合総連盟(民主労総)傘下の全国金属労働組合・現代自動車支部(現代車労組)と起亜自動車支部(起亜労組)は、それぞれ7月と5月の民主労総のゼネストに参加するため、部分ストに踏み切った。

「政治ストライキ」が終わった後に続いた賃金団体協約でも、労使交渉はギクシャクしている。先月末にストライキ権を獲得した現代車労組は、13日と14日に部分ストライキを予告している。起亜労組も11日、スト権を得るやいなや12日に直ちに争議対策委員会を開き、ストの可否について議論した。毎年賃金団体協約でストライキ権を通じて会社側を圧迫するのは決まった手順と同じだというが、今年は例年と雰囲気が違うという話が多い。

両社の労組は特に、「定年64歳」を交渉の全面に掲げている。現在、60歳であることをさらに4年間延長してほしいという。会社側としては受け入れがたい要求だ。無理な定年延長は、新規採用中断につながりかねない。現代自動車は今年3月、10年ぶりの生産職新規採用に乗り出すと、700人の募集に数万人の志願書が殺到した。昨年、生産職100人を採用した起亜(キア)もそうだった。

もちろん労使が紛争無しに交渉を妥結する可能性もまだ残っている。労組としても久しぶりに見舞われた「好時代」に、自ら水を差すような悪手を打つ必要はないのではないか。