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姿を消した東海のイカ、漁民の生計を脅かす気候変動

姿を消した東海のイカ、漁民の生計を脅かす気候変動

Posted September. 18, 2023 08:42,   

Updated September. 18, 2023 08:42

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「最盛期には1日5千匹以上も獲れたのに、今は100匹も難しい」

約40年間、東海(トンへ・日本海)の束草(ソクチョ)沖でイカ漁をしてきたパク・チョンギ・イカ釣り経営人協会長は最近、生業を脅かされている。気候変動で東海のイカが姿を消したからだ。数日前は一日中で獲れたイカが40匹だけだった。漁獲量が全盛期の100分の1以下に落ちたのだ。パクさんは、「人件費や燃料代などの費用を差し引くと赤字だ。このままでは食べていくのが難しく、イカ漁を諦める寸前」とため息をついた。

東海イカ漁の漁民たちはまさに「苦難の行軍」をしている。3年前からイカの漁獲量が目に見えて減り始めたからだ。2022年と昨年の漁獲量が毎年半減し、今年はさらにひどくなった。苦肉の策として、大型船は最近イカが獲れるという西海(ソへ・黄海)やロシア海域まで出ることもある。しかし、燃料代などの追加費用を考えると採算が合わないという。だからといって魚種を変えるのも簡単ではない。船に設置された装備を変え、新しい魚種に合った網を設置するには数千万ウォンかかることもある。漁民だけでなく、関連飲食店や商店も被害を受けている。パクさんは、「テレビで見ていた気候変動が生業を脅かすことになるとは夢にも思わなかった」と話した。

パクさんが感じる危機感は、イカ関連従事者に限った話ではない。漁村のあちこちでは、気候変動による魚種の変化がより早く訪れるという危機感が広がっている。すでに多くの漁民や自治体、研究所が魚種の変化に対応するため様々な試みを進めている。例えば、江原道(カンウォンド)は将来の漁獲量急減に備えるため、計300億ウォンを投入してサケのスマート養殖テストベッドを構築している。サケ、スケトウダラ養殖の総合データを構築し、優秀な種子を発掘するプロジェクトだ。システムが整えば、東海で漁獲量が急減している魚種を養殖で補完することになる。

海のない忠清北道(チュンチョンプクト)の挑戦も興味深い。アイスランドから輸入したサケの受精卵を淡水で成魚に育てるプロジェクトだ。川を遡上するのがサケの性質だが、それを克服して淡水養殖場でのみ育つサケを作ろうというのだ。米国、スイスなど水産強国が試みている方法だ。昨年は様々な変数で大きな成果は収められなかったが、今年はクリーンな地下水を導入し、進展した成果を期待している。

史上最も暑い夏を過ごしたが、気候危機が私たちの生存まで脅かすと考える都市の人は多くない。しかし、自然との距離が近い漁村の住民たちはその変化を実感し、すでに生存法を模索している。今週末(22~24日)、ソウル瑞草区(ソチョク)のaTセンターで開かれる「2023 Sea Farm Show水産養殖博覧会」では、水産業の危機に対応する漁民のアイデアが紹介される。日本の汚染水海洋放出で困難に直面している韓国漁民の努力に拍手を送り、会場に足を運んでみてはどうか。