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李在明氏の逮捕同意案可決、民主党が「防弾」を脱ぐ契機にならなければ

李在明氏の逮捕同意案可決、民主党が「防弾」を脱ぐ契機にならなければ

Posted September. 22, 2023 08:50,   

Updated September. 22, 2023 08:50

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最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表の逮捕同意案が21日、国会本会議で可決された。賛成149、反対136で、議決定足数である出席過半数(148議席)を1票上回った。民主党議員の相当数が賛成票を投じたのだ。野党第1党代表の逮捕同意案の可決は憲政史上初めて。韓悳洙(ハン・ドクス)首相解任建議案も賛成175票で可決された。与党「国民の力」議員の反対の中、民主党や正義党など野党議員が多数賛成した結果だ。首相解任建議案の可決も史上初めて。

逮捕同意案の可決は、李氏が自らした約束さえも弊履のごとく捨て、多数の議席を武器に自身の身を守ろうとして招いた自業自得の結果である。李氏は3ヵ月前、「拘束令状を請求すれば、自ら出席して令状実質審査を受ける」と不逮捕特権の放棄を宣言した。その李氏が20日、「政治検察の工作捜査に翼を与えてはならない」と所属議員に否決を要請した。「死即生(死のうとする者は生きるもの)」の道を歩むと言って20日以上断食を続けた李氏は、結局、自分の救命に汲々とし、「生即死(生きようとする者は死ぬもの)」の窮地に陥ったのだ。

今や李氏を拘束するかどうかは裁判所の判断に委ねられたが、民主党は激しい内紛の渦に包まれることになった。来年の総選挙を控えた状況で、李氏のリーダーシップは揺らぐほかない。今後、民主党は非常対策委員会の転換、公認主導権などをめぐる対立が本格化するだろう。党の内紛を超え、分裂にまで発展する事態につながる可能性もある。しかし、今回の可決を機に、民主党は再生の足場を築くこともできる。これまで李氏をはじめ、所属議員に対する逮捕同意案を相次いで否決した民主党だ。1票差で可決されたが、今回の逮捕同意案可決で「防弾政党」の汚名を返上することができた。これからは民主党は大胆な刷新を通じて、国民の心を得る政権政党の道を歩まなければならない。

憲政史上初の記録を2つも残した21日の国会の採決結果から、韓国政治がいかに索漠とした対立と葛藤の現場になったかがうかがえる。今回の結果が政府与党の強硬姿勢と検察の捜査に正当性を与えたと見るのは早計だ。今後の裁判所の判断結果によっては、検察はもとより与党全体が過剰捜査だったという批判に直面する可能性もある。可決された首相解任建議案をめぐっても、与党は李氏を救うための水掛け論的な攻勢だと片付けてはならない。国会の解任建議を尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が受け入れる可能性は低いが、少なくともこれまでの強引な国政運営の姿勢を振り返るきっかけにならなければならない。