ドイツ外相が米共和党を訪れた理由は
Posted September. 25, 2023 08:52,
Updated September. 25, 2023 08:52
ドイツ外相が米共和党を訪れた理由は.
September. 25, 2023 08:52.
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毎年9月に開かれる国連総会は、「外交のスーパーボール」と呼ばれる世界最大規模の外交舞台だ。193の加盟国すべてが参加するため、様々な2国間・多国間協議が行われる。国益を貫徹するための各国の外交戦争も熱く、特に現職の米大統領、米国務長官に会うための競争は激しい。しかし、今年の国連総会に出席したドイツのアナレーナ・ベアボック外相の訪米日程は、バイデン米大統領や側近との会談ではなく、野党である共和党の主要人物との会合に焦点が当てられた。ベアボック氏は国連本部があるニューヨークに行く前に、共和党の本拠地であるテキサス州を訪れ、グレッグ・アボット知事に会った。首都ワシントンでも米上院共和党トップのミッチ・マコーネル院内総務、米外交委員会の共和党トップであるジェームズ・リッシュ上院議員と会談した。下院では、来年の大統領選で共和党の副大統領候補とされるナンシー・メイス議員らとも会った。米国の核心同盟国であるドイツの外相が米野党の主要人物に会うのは異例のこと。ベアボック氏がバイデン政権の誤解を買う危険を冒して共和党議員たちに会ったのは、来年の大統領選を控えて北大西洋条約機構(NATO)とウクライナ戦争に対する米国の支持の継続を促すためとみられる。欧州では、かつてNATO脱退をちらつかせて国防費の増額を求めたトランプ前大統領が再選すれば、NATOを通じた西側諸国の結束とウクライナ戦争協力が大きく揺らぐことを懸念している。ベアボック氏はドイツメディアのインタビューで、「米国との友情は一政党だけに限定されない。私たちはナイーヴではなく、(米国が)欧州を狂わせることを放っておかない」と述べた。トランプ氏がホワイトハウスに復帰しても、欧州は2016年よりも準備ができていると強調した。度重なる刑事起訴にもかかわらず、トランプ氏は共和党大統領候補の中で支持率1位を記録している。これにより、「トランプ2期」のリスクに対する懸念も高まっている。特に、「米国第一主義」路線がより露骨になるとみられている。実際、トランプ氏は米中貿易戦争の拡大版である10%の普遍的基礎関税の賦課のほか、南部国境の壁の建設に加え、海外駐留米軍の移動を通じた米軍の国境配置を公約に掲げた。外交関係者の間では、2016年の当選直後、トランプ氏が軍将校出身を外交安全保障の要職に起用して保守層に安定感を与えようとしたのとは異なり、トランプ2期は「トランプ忠誠派」がホワイトハウス、国務省、国防総省の要職を独占すると見ている。在韓米軍の家族疎開令など、トランプ氏の衝動的で危険な指示にブレーキをかけたジェームズ・マティス元国防長官など、いわゆる「大人の枢軸(axis of adults)」のような政権内の牽制とバランスを期待することは難しいということだ。ただ、トランプ2期の衝撃は、トランプ氏の初政権の時ほどではないという見方も慎重に出ている。予測できる禍は備えることができるということだ。その意味で、ベアボック氏の行動は韓国にも多くの示唆を与える。米国では予算編成や条約・人事批准などの権限を持つ議会が大統領の一方的な行動にブレーキをかける装置が十分に設けられている。まだトランプ2期シャドウキャビネットの輪郭が明らかになっていないため、「米議会外交」に集中すべきだという声が出る理由だ。北朝鮮の核・ミサイルの脅威、中国との経済関係など重大な問題に直面している韓国は、ドイツよりものんびりと米大統領選挙の状況を見ている立場ではない。
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毎年9月に開かれる国連総会は、「外交のスーパーボール」と呼ばれる世界最大規模の外交舞台だ。193の加盟国すべてが参加するため、様々な2国間・多国間協議が行われる。国益を貫徹するための各国の外交戦争も熱く、特に現職の米大統領、米国務長官に会うための競争は激しい。
しかし、今年の国連総会に出席したドイツのアナレーナ・ベアボック外相の訪米日程は、バイデン米大統領や側近との会談ではなく、野党である共和党の主要人物との会合に焦点が当てられた。ベアボック氏は国連本部があるニューヨークに行く前に、共和党の本拠地であるテキサス州を訪れ、グレッグ・アボット知事に会った。首都ワシントンでも米上院共和党トップのミッチ・マコーネル院内総務、米外交委員会の共和党トップであるジェームズ・リッシュ上院議員と会談した。下院では、来年の大統領選で共和党の副大統領候補とされるナンシー・メイス議員らとも会った。
米国の核心同盟国であるドイツの外相が米野党の主要人物に会うのは異例のこと。ベアボック氏がバイデン政権の誤解を買う危険を冒して共和党議員たちに会ったのは、来年の大統領選を控えて北大西洋条約機構(NATO)とウクライナ戦争に対する米国の支持の継続を促すためとみられる。欧州では、かつてNATO脱退をちらつかせて国防費の増額を求めたトランプ前大統領が再選すれば、NATOを通じた西側諸国の結束とウクライナ戦争協力が大きく揺らぐことを懸念している。
ベアボック氏はドイツメディアのインタビューで、「米国との友情は一政党だけに限定されない。私たちはナイーヴではなく、(米国が)欧州を狂わせることを放っておかない」と述べた。トランプ氏がホワイトハウスに復帰しても、欧州は2016年よりも準備ができていると強調した。
度重なる刑事起訴にもかかわらず、トランプ氏は共和党大統領候補の中で支持率1位を記録している。これにより、「トランプ2期」のリスクに対する懸念も高まっている。特に、「米国第一主義」路線がより露骨になるとみられている。実際、トランプ氏は米中貿易戦争の拡大版である10%の普遍的基礎関税の賦課のほか、南部国境の壁の建設に加え、海外駐留米軍の移動を通じた米軍の国境配置を公約に掲げた。
外交関係者の間では、2016年の当選直後、トランプ氏が軍将校出身を外交安全保障の要職に起用して保守層に安定感を与えようとしたのとは異なり、トランプ2期は「トランプ忠誠派」がホワイトハウス、国務省、国防総省の要職を独占すると見ている。在韓米軍の家族疎開令など、トランプ氏の衝動的で危険な指示にブレーキをかけたジェームズ・マティス元国防長官など、いわゆる「大人の枢軸(axis of adults)」のような政権内の牽制とバランスを期待することは難しいということだ。
ただ、トランプ2期の衝撃は、トランプ氏の初政権の時ほどではないという見方も慎重に出ている。予測できる禍は備えることができるということだ。その意味で、ベアボック氏の行動は韓国にも多くの示唆を与える。
米国では予算編成や条約・人事批准などの権限を持つ議会が大統領の一方的な行動にブレーキをかける装置が十分に設けられている。まだトランプ2期シャドウキャビネットの輪郭が明らかになっていないため、「米議会外交」に集中すべきだという声が出る理由だ。北朝鮮の核・ミサイルの脅威、中国との経済関係など重大な問題に直面している韓国は、ドイツよりものんびりと米大統領選挙の状況を見ている立場ではない。
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