市場を敵に回した結果、信頼の崩壊については誰が責任を取るのか
Posted October. 03, 2023 08:26,
Updated October. 03, 2023 08:26
市場を敵に回した結果、信頼の崩壊については誰が責任を取るのか.
October. 03, 2023 08:26.
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「今住宅を買っているのは実需要者ではない。投機勢力が価格の不安定化を引き起こしている」「首都圏の住宅供給は十分だ。今は低金利による『仮需要』が作用しているに過ぎない」文在寅(ムン・ジェイン)政権時代に公務員たちに不動産政策に対する質問をすると、決まってこのような返事が返って来たものだ。低金利によるものであれ、投機勢力によるものであれ、誰かがより高い価格で家を買っており、それために住宅価格が上がるのは当時の厳然たる現実だった。にもかかわらず、まるでそういった現実自体を否定するような返事に腹立たしさを感じたことが一度や二度ではない。最近監査院が発表した当時の不動産統計に対する監査結果を見て、あの時の「集団的な現実否定」を思い出した。当時は、そのような現実否定が自分たちの政策失敗や過ちを認識していながらも、どうしても記者にそのまま言えない息苦しさから出たものだと思った。ところが監査結果によれば、当時青瓦台(チョンワデ=大統領府)の関係者や国土交通部(国土部)の公務員たちは、この「現実否定」を本当の現実として正当化するために極めて積極的に動いたようだ。もちろん彼らにも言い分はあるだろう。韓国不動産院の住宅価格動向調査の手続きを見ると、標本となるマンションが毎週新しい取引が発生するとは限らないため、類似の取引などを考慮して価格を決めよう規定している。調査員個人の見解が介入する余地があるわけだ。この過程で客観性と正確性の確保という見地から、内部報告などの手続きを踏まえて現場調査員以外に第2者、第3者が価格を調整することもできるという。青瓦台や国土部が関与したことも、やはりこのような「調整」の一環だったと主張できるという意味だ。しかし大事なのは当時、不動産院の職員がその過程で証拠資料を集めて情報報告までするほどプレッシャーを感じたということだ。職員たちは青瓦台と国土部、再び不動産院へとつながる報告系統の中で毎週一度発表される統計を3回ずつも集計・分析をやり直して報告しなければならなかった。監査院によると、「うちのラインは皆ぶっ潰される」と泣き顔で訴えたり、「組織と予算を吹き飛ばす」という脅迫のようなプレッシャーがあったというから、ストレスは思ったより大きかったことだろう。実際、週間マンション価格動向は住宅価格が何%上がったかよりは、不動産市場全体の流れと行方を判断するのに使われる統計だ。調査間隔が短すぎて標本調査という限界があるからだ。不動産取引申告が通常取引1ヵ月以内に行われ、後で取り消しになることもあることを勘案すればなおさらだ。にもかかわらず、小数点以下の表示桁数を一つや二つ上げたり下げたりすることに数十人が数年間しがみついてきた。実体もない敵と戦ったわけだ。不動産市場統計は数千、数万の取引の合計だ。ある大きな流れが作られると、これを制御することは非常に困難だ。市場の流れと戦ったところで勝てるはずもなく、そもそも敵視するべき対象でもない。このように敵にしてはならない対象を敵に回して戦った結果、文在寅政府は市場の大きな流れに対応した政策を打ち出すことに失敗した。そして、それによる苦痛は国民が被るほかなかった。また統計に対する信頼の崩壊については誰に責任を取らせるべきか。不動産市場を敵に回した彼らに聞きたい。
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「今住宅を買っているのは実需要者ではない。投機勢力が価格の不安定化を引き起こしている」
「首都圏の住宅供給は十分だ。今は低金利による『仮需要』が作用しているに過ぎない」
文在寅(ムン・ジェイン)政権時代に公務員たちに不動産政策に対する質問をすると、決まってこのような返事が返って来たものだ。低金利によるものであれ、投機勢力によるものであれ、誰かがより高い価格で家を買っており、それために住宅価格が上がるのは当時の厳然たる現実だった。にもかかわらず、まるでそういった現実自体を否定するような返事に腹立たしさを感じたことが一度や二度ではない。
最近監査院が発表した当時の不動産統計に対する監査結果を見て、あの時の「集団的な現実否定」を思い出した。当時は、そのような現実否定が自分たちの政策失敗や過ちを認識していながらも、どうしても記者にそのまま言えない息苦しさから出たものだと思った。ところが監査結果によれば、当時青瓦台(チョンワデ=大統領府)の関係者や国土交通部(国土部)の公務員たちは、この「現実否定」を本当の現実として正当化するために極めて積極的に動いたようだ。
もちろん彼らにも言い分はあるだろう。韓国不動産院の住宅価格動向調査の手続きを見ると、標本となるマンションが毎週新しい取引が発生するとは限らないため、類似の取引などを考慮して価格を決めよう規定している。調査員個人の見解が介入する余地があるわけだ。この過程で客観性と正確性の確保という見地から、内部報告などの手続きを踏まえて現場調査員以外に第2者、第3者が価格を調整することもできるという。青瓦台や国土部が関与したことも、やはりこのような「調整」の一環だったと主張できるという意味だ。
しかし大事なのは当時、不動産院の職員がその過程で証拠資料を集めて情報報告までするほどプレッシャーを感じたということだ。職員たちは青瓦台と国土部、再び不動産院へとつながる報告系統の中で毎週一度発表される統計を3回ずつも集計・分析をやり直して報告しなければならなかった。監査院によると、「うちのラインは皆ぶっ潰される」と泣き顔で訴えたり、「組織と予算を吹き飛ばす」という脅迫のようなプレッシャーがあったというから、ストレスは思ったより大きかったことだろう。
実際、週間マンション価格動向は住宅価格が何%上がったかよりは、不動産市場全体の流れと行方を判断するのに使われる統計だ。調査間隔が短すぎて標本調査という限界があるからだ。不動産取引申告が通常取引1ヵ月以内に行われ、後で取り消しになることもあることを勘案すればなおさらだ。にもかかわらず、小数点以下の表示桁数を一つや二つ上げたり下げたりすることに数十人が数年間しがみついてきた。実体もない敵と戦ったわけだ。
不動産市場統計は数千、数万の取引の合計だ。ある大きな流れが作られると、これを制御することは非常に困難だ。市場の流れと戦ったところで勝てるはずもなく、そもそも敵視するべき対象でもない。このように敵にしてはならない対象を敵に回して戦った結果、文在寅政府は市場の大きな流れに対応した政策を打ち出すことに失敗した。そして、それによる苦痛は国民が被るほかなかった。また統計に対する信頼の崩壊については誰に責任を取らせるべきか。不動産市場を敵に回した彼らに聞きたい。
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