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コメディで戻ってきた周潤発氏「映画がなければ私もいない」

コメディで戻ってきた周潤発氏「映画がなければ私もいない」

Posted October. 06, 2023 08:48,   

Updated October. 06, 2023 08:48

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「この世に来る時、何も持ってこなかったので、行く時も何も持って行かなくてもいいでしょう。今、私には昼食、夕食の白いご飯2杯で十分です。糖尿病があって、たまには一杯のみ食べたりします」

俳優の周潤発(68)は5日、釜山海雲台区(プサン・ヘウンデグ)のKNNシアターで開かれた記者会見で、このように話した。周潤発は、前日開幕した第28回釜山国際映画祭(BIFF)で、「今年のアジア映画人賞」を受賞した。2018年、全財産の56億香港ドル(当時は8100億ウォン)を寄付すると明らかにした彼は、携帯電話一つを17年間使用し、スリッパ姿で地下鉄を利用するなど質素に暮らしているという。氏は、「私ではなく妻が寄付した。私は苦労して稼いだお金なので、寄付したくなかった。今は小遣いをもらって生活しなければならない」と冗談を言いながら泣きべそをかくと、場内には爆笑が起こった。

今年でデビュー50周年を迎えた周潤発は、BIFFで、「周潤発の男たちの挽歌」という特別企画プログラムを通じて観客に会う。「男たちの挽歌」(1986年)や「臥虎杖竜」(2000年)と、5年ぶりに発売した新作で来月公開される「ワンモアチャンス」まで3本が上映される。コメディ家族映画「ワンモアチャンス」で、彼はマカオで美容室を経営する長髪の男やもめで、自閉症を患っている息子を育てる父親役を演じた。彼のコメディ演技が好きなファンなら、嬉しい作品だ。彼は、「このようなジャンルを長い間やっていないので、私もとても気に入っている映画だ。親子の絆を描く映画が好きだ」と話した。

50年間俳優として生きてきたが、彼はトップスターといううぬぼれも過去に対する後悔もなく、超然たる姿だった。彼は、「『すべてのことは幻であり、今この瞬間だけが本物だ』という仏学の概念を信じる。『現在を生きろ』という言葉が好きだ。今だけ考えている」と話した。彼は、「特別な視線で、私がスーパースターだと考えることもできるが、私はただ極めて平凡な一人に過ぎない」とも話した。

ただ、演技に対する深い愛と欲だけは、隠すことができなかった。彼は、「映画がなければ、周潤発もいない」とし、「私は勉強をたくさんできなかったので、映画はどんなものとも比較できないほど私に大きな世の中をもたらした」と振り返った。彼は、「私が映画を50年さらに撮ったら、見る人がいるでしょうか」と問い返し、「韓国によく来て、美容施術を受けなければならない」と笑った。

低迷している香港映画界に対する遺憾の意も表した。彼は、「検閲があって、香港監督が映画を作るのが非常に難しい」と話した。それと共に、「創作の自由が韓国映画の最も大きな競争力だ」と話した。7月に提起された健康異常説については、「12月に香港で開かれるハーフマラソン大会に出場する。釜山に来て、朝2日間連続でランニングをし、明日の午前にも10キロを走る」とデマを払拭した。

中国俳優のファン・ビンビン(42)も、復帰作「緑夜」を手に釜山を訪れた。ファン・ビンビンは、2018年に脱税議論に巻き込まれた後、突然姿を消して、死亡説や失踪説が提起された。中国当局は、彼女に約8億8300万元の罰金を科したと発表した。その後5年間は空白期だった。彼女はこの日の記者会見で、「人間の生命周期のように、人生にも起伏がある。自らを落ち着かせる時間だった」と告白した。

ファン・ビンビンは、「緑夜」で演技変身を図った。これまでやってきた堂々とした進取的な女性と違って、車輪のような人生を生きていく役を演じた。彼女が演じる「ジンシャ」は、仁川(インチョン)旅客港保安検査台で勤める女性で、夫(キム・ヨンホ)の暴力に無力感を感じて、自由な緑髪の女性(イ・ジュヨン)に会って起きる物語を盛り込んだ。ハンシュアイ監督が演出し、韓国で撮影した。年内に公開する予定だ。


崔智善 aurinko@donga.com