空席となった米下院議長候補に共和党所属のジム・ジョーダン下院議員(59)を支持し、下院議長選挙に露骨に介入したトランプ前大統領が逆風を、迎える可能性があるという見通しが出ている。特に、パレスチナのガザ地区を実効支配するイスラム組織ハマスのイスラエル奇襲攻撃で、共和党中道派の間でイスラエル支援のためにケビン・マッカーシー前議長を再び推戴すべきだという声が出ており、注目される。
これに先立ち、トランプ氏は6日、自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」に、ジョーダン氏を「完全に全面的に」支持するとし、「偉大な下院議長になるだろう」と書いた。ジョーダン氏は、マッカーシー議長解任事態を主導した共和党強硬右派「フリーダムコーカス」の初代議長で、トランプ氏の核心側近だ。
ただし、ジョーダン氏と競う下院共和党のスティーブ・スカリス院内総務(57)もトランプ氏の支持者であるため、今回の選択がトランプ氏の議会支配力に役立つかは未知数という指摘もある。7日、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、マッカーシー氏の最大のライバルとされてきた「共和党ナンバー2」のスカリス氏は保守色が強いが、穏健派をはじめ様々な視点の党内派閥と幅広い関係を築いている。
特に、下院議長候補を決める10日の共和党議員総会が非公開で行われるため、トランプ支持宣言がジョーダン氏に不利に働く可能性が高いという見方もある。トランプ氏の露骨な介入に反感を抱く共和党議員たちがスカリス氏を選ぶ可能性があるという分析もある。トランプ氏が昨年11月、上院共和党院内総務に支持したリック・スコット上院議員は、ミッチ・マコーネル議員に敗れた。
「マッカーシー再推戴」という変数もどのような影響を与えるか注目される。イスラエル支援を急ぐため、マッカーシー氏を下院議長候補にする案を共和党中道派議員約20人が議論していると、米政治専門メディア「ポリティコ」が8日、報じた。
ミン・ドンヨン記者 mindy@donga