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「ハングル・パイティング!」と叫ぶ自由を許せ!

「ハングル・パイティング!」と叫ぶ自由を許せ!

Posted October. 09, 2023 08:54,   

Updated October. 09, 2023 08:54

한국어

今日は、第580周年のハングルの日だ。ハングルの日は、英語の「baseball」を「野球」と書くようになったことを記念する日ではなく、「ベースボール」と書けるようになったことを祝う日だ。ハングルがなくても、baseballは野球、奉球、または英語のまま壘球になって韓国で人気を集めていたかもしれない。

文と言葉は互いに異なる概念だが、「純粋なわれわれの言葉を大切にして愛しましょう」が目的の記念日が別にないため、毎年ハングルの日になると「固有語を使いましょう」キャンペーンが繰り広げられる。今年もきっと、「世宗(セジョン)大王が、最近のマンションの名前を見れば泣いて行かれるだろう」と嘆息する記事が出てくるだろう。

ハングルの日の社会面の常連アイテムがマンションの名前なら、スポーツ面では「パイティング」だ。パイティングの代わりに「頑張ろう」のような純粋なハングル語を使わなければならないという。数年前、あるスポーツメディアの論説委員は、「パイティングは日本に由来する国籍不明な用語だ」とし、「外国人には拳を握って、『一度戦ってみるか?』という誤解を招きかねない」と指摘した。

「金メダル」も、日本で漢字「金」と英語の単語「medal」を合わせて作った国籍不明の単語ではないか。しかもパイティングは、もはや厳然とした韓国語の単語だ。パイティングは国立国語院標準国語大辞典の登録語だというのが、最も「公式的な証拠」だ。この辞書はその名の通り、韓国語の標準単語を含んでいる。そのため、「アップル(apple)」のように簡単な外国語の単語もこの辞書にない。

またグーグルに、「oppa fighting(お兄さんパイティング)」と入力すれば、検索結果が438万個以上出てくる。ウィキペディアには、韓国語の感嘆詞「paiting(パイティング)」を説明するページも別にある。このページは、「hwaiting(ファイティング)」も同じ意味だと説明している。今や私たちは、パイティングが激励と応援が必要な時に使う韓国語の単語だということを、世界中の人々が認める世の中に生きている。

英語が、世界中で最も力のある言語になった最大の理由は、もちろんこの言葉が母国語の国が世界で最も影響力が大きいからだ。そして2番目の理由は、世界中の言語から語彙と文法を積極的に吸収したためだ。「ketchup(ケチャップ)」は中国語、「shampoo(シャンプー)」はヒンディー語、「tatoo(タトゥー)」はポリネシア語から来ている。「chaebol(財閥)」も英語の単語だ。「久しぶり」という意味の「Long time no see」も、中国語がそのルーツとなっている。ところが私たちは「純粋な韓国語」というのが元々別にあったように、しきりに反対に行こうとする。

言葉は、衆口の選択を受ければ生き残り、そうでなければ消える。東亜(トンア)日報に「パイティング」という単語が初めて登場したのは、1926年9月5日だった。「4つの倶楽部の野球連盟戦」で3位にとどまった中央倶楽部のソ・サング監督が、「パイティング不足」を敗因に挙げたのだ。「クラブ」を意味する日本式造語「倶楽部」が、韓国の言語生活で音の噂もなく消える間、「パイティング」が生き残ったのには全て理由があるのではないか。だからハングルの日を迎えて、「ハングルパイティング!」と叫ぶ自由を許せ!