中東危機に原油価格の高騰と急激なドル高、「戦争拡大リスク」への備えが急がれる
Posted October. 10, 2023 08:12,
Updated October. 10, 2023 08:12
中東危機に原油価格の高騰と急激なドル高、「戦争拡大リスク」への備えが急がれる.
October. 10, 2023 08:12.
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パレスチナ武装政派ハマスのイスラエルに対する奇襲攻撃で、中東情勢が視界ゼロの状況に陥り、先行きに追われている韓国経済も新たなリスクに直面している。国際原油価格が1日で4%高騰し、ドルや金などの安全資産に投資が集中するなど、グローバル金融市場が不安な様子を見せている。地政学的リスクが大きくなり、ただでさえ金利高やドル高、原油高の3高現象に苦しんでいる韓国経済を締め付ける恐れがある、という不安が大きくなっている。9日、ニューヨーク商業取引所でウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)の先物価格は取引中、1バレル=88ドルを超え、前取引日より4.7%ほど上昇した。最近、経済原則の懸念の中で停滞していた国際原油価格が再び上昇傾向に転じ、1バレル=100ドルを超える可能性があるという予測が出ている。安全資産への偏り現象でドル高が進み、ウォン相場は1ドル=1400ウォンまで上昇するだろうという懸念も高まっている。3日間の連休を終えて開場する金融市場が不安感に包まれないよう、綿密なモニタリングが必要だ。今回の事態が、米国とイランの代理戦の様子を呈して拡大すれば、原油価格の高騰は避けられない。特に韓国は昨年、中東原油の輸入が1年間で20%近く増加した状況で、価格負担がさらに大きくなりかねない。原油価格が上がれば、冬季のエネルギー需要の拡大とあいまって物価を刺激する恐れがある。すでに9月の消費者物価は前年同月比3.7%上昇し、再び上昇している状況で物価管理に赤信号が灯っている。国際原油価格が上がれば、エネルギー輸入額の減少に支えられ、4ヵ月連続で黒字行進を続けている貿易収支にも、否定的な影響を与えかねない。インフレの懸念による米国の金利高の長期化とドル高によるウォン安ドル高も家計と企業の負担を高め、消費と投資を萎縮させる恐れがある。中東に投資している韓国企業の被害も懸念される。微弱ながら現れている輸出回復の勢いを相殺し、低成長の溝をさらに深めかねないため、備えが必要だ。一部からは、今回の事態が原油価格などに及ぼす影響は限られると見たりもする。かつてのイスラエルとアラブの衝突は、その大半が短期間で終わり、第1次と第2次オイルショックを除けば、原油価格も短期間高騰後、安定したという。しかし油断するには早い。昨年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻が長期化し、世界経済を押さえつけるとは、事態の初期には誰も予想できなかった。あらゆる可能性を念頭に置いて、金融市場と実体市場のあらゆるリスクを徹底的に点検しなければならない。
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パレスチナ武装政派ハマスのイスラエルに対する奇襲攻撃で、中東情勢が視界ゼロの状況に陥り、先行きに追われている韓国経済も新たなリスクに直面している。国際原油価格が1日で4%高騰し、ドルや金などの安全資産に投資が集中するなど、グローバル金融市場が不安な様子を見せている。地政学的リスクが大きくなり、ただでさえ金利高やドル高、原油高の3高現象に苦しんでいる韓国経済を締め付ける恐れがある、という不安が大きくなっている。
9日、ニューヨーク商業取引所でウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)の先物価格は取引中、1バレル=88ドルを超え、前取引日より4.7%ほど上昇した。最近、経済原則の懸念の中で停滞していた国際原油価格が再び上昇傾向に転じ、1バレル=100ドルを超える可能性があるという予測が出ている。安全資産への偏り現象でドル高が進み、ウォン相場は1ドル=1400ウォンまで上昇するだろうという懸念も高まっている。3日間の連休を終えて開場する金融市場が不安感に包まれないよう、綿密なモニタリングが必要だ。
今回の事態が、米国とイランの代理戦の様子を呈して拡大すれば、原油価格の高騰は避けられない。特に韓国は昨年、中東原油の輸入が1年間で20%近く増加した状況で、価格負担がさらに大きくなりかねない。原油価格が上がれば、冬季のエネルギー需要の拡大とあいまって物価を刺激する恐れがある。すでに9月の消費者物価は前年同月比3.7%上昇し、再び上昇している状況で物価管理に赤信号が灯っている。
国際原油価格が上がれば、エネルギー輸入額の減少に支えられ、4ヵ月連続で黒字行進を続けている貿易収支にも、否定的な影響を与えかねない。インフレの懸念による米国の金利高の長期化とドル高によるウォン安ドル高も家計と企業の負担を高め、消費と投資を萎縮させる恐れがある。中東に投資している韓国企業の被害も懸念される。微弱ながら現れている輸出回復の勢いを相殺し、低成長の溝をさらに深めかねないため、備えが必要だ。
一部からは、今回の事態が原油価格などに及ぼす影響は限られると見たりもする。かつてのイスラエルとアラブの衝突は、その大半が短期間で終わり、第1次と第2次オイルショックを除けば、原油価格も短期間高騰後、安定したという。しかし油断するには早い。昨年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻が長期化し、世界経済を押さえつけるとは、事態の初期には誰も予想できなかった。あらゆる可能性を念頭に置いて、金融市場と実体市場のあらゆるリスクを徹底的に点検しなければならない。
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