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釜山映画祭でもOTTの存在感、「ヴィジランテ」など売り切れ

釜山映画祭でもOTTの存在感、「ヴィジランテ」など売り切れ

Posted October. 10, 2023 08:12,   

Updated October. 10, 2023 08:12

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第28回釜山(プサン)国際映画祭(BIFF)が開かれている釜山市海雲台区(ヘウンデグ)の映画の殿堂の真ん中には、目を引く超大型ポスターが掲げられている。来月8日に公開されるディズニープラスのドラマ「ヴィジランテ」のポスターだ。映画祭の会場で、最も目立つところにオンライン動画サービス(OTT)シリーズを宣伝しており、高まったOTTの存在感を実感させた。

今年のBIFFは、OTTシリーズセクションの「オンスクリーン」部門に、ディズニープラスの「ヴィジランテ」やティービングの「A Bloody Lucky Day」「LTNS」「ランニングメイト」、ウェーブの「取引」まで計5つの韓国作品を招待した。OTT映画では、ネットフリックスの「毒戦BELIEVER2」と「バレリーナ」が、「韓国映画の今日-スペシャルプレミア部門」に招待された。BIFFに招待されたOTT作品は、上映回のチケットが全て売り切れるほど観客の反応が熱かった。

この中で、ユ・ジテ、ナム・ジュヒョク、イ・ジュヒョク主演の「ヴィジランテ」は、BIFFで最も多く注目を集めた。昼間は模範的な警察大学の学生だが、夜になると犯罪者を直接断罪する男の話で、キム・ギュサム作家の同名ウェブトゥーンが原作だ。

ネットフリックスで来月17日に公開されるペク・ジョンヨル監督の「毒戦BELIEVER2」も、やはり期待を集めている。2018年に公開され、500万人の観客を集めて興行した映画「毒戦BELIEVER」の後続作で、前作の結末から30日前に起きた出来事を描く。俳優リュ・ジュンヨルの代わりにオ・スンフンが、故キム・ジュヒョクの代わりにピョン・ヨハンが特別出演した。俳優のハン・ヒョジュが麻薬組織ボス「イ先生」の実体を知っており、後始末を担当する「大刀」役で大胆に変身する演技を見せた。

ティービングで来月24日公開予定の「A Bloody Lucky Day」は、平凡なタクシー運転手のオ・テク(イ・ソンミン)が、高額を提示する地方行きのお客さん(ユ・ヨンソク)を乗せて行く途中、彼が連続殺人犯であることに気づいたことにより、恐怖の走行が始まる内容だ。俳優ユ・スンホの初のOTT挑戦作であるウェーブの「取引」は、軍から除隊したばかりの青年イ・ジュンソン(ユ・スンホ)が賭博で大きな借金をしたことにより、金の匙(裕福な家の出)である友人を拉致して繰り広げられる物語だ。計8部作で、今月6日、第1話と第2話が公開された。

今秋、新作を相次いで発売するOTTプラットフォームは、BIFFを作品広報の場として積極的に活用している。BIFFでは、出演俳優や製作陣が野外舞台で観客と会う「オープントーク」のセッションが計12回開かれたが、そのうち半分の6つが、OTT作品だった。俳優のユ・スンホ、チョン・ジョンソ、ユ・ジテ、ナム・ジュヒョクが舞台に登場する度に、客席からは歓声が沸き起こった。8日に開かれたアジアコンテンツアワード&グローバルOTTアワード(ACA&G.OTT)は、今年初めて募集コンテンツの範囲をアジアから世界中に広げた。計18ヵ国から215本のコンテンツが寄せられた。最高の作品に授与するベストクリエイティブ賞に、ディズニープラスの「ムービング」が選ばれた。「ムービング」は、ベストデジタルの視覚特殊効果(VFX)作品賞、作家賞(カン・プール)、主演男優賞(リュ・スンリョン)をはじめ、男性新人賞(イ・ジョンハ)と女性新人賞(コ・ユンジョン)まで総なめした。

大衆文化評論家のキム・ソンス氏は、「今後、映画祭でOTTコンテンツを公開する傾向はさらに強まるだろう」と話した。氏は、「OTTプラットフォームはコンテンツを広報し、映画祭は大衆性を確保できる。観客も、OTT作品を大きなスクリーンで他の人々と一緒に見る「映画的経験」ができ、映画とOTTコンテンツの境界はますます薄くなるだろう」と見込んだ。

BIFFで、歌手兼俳優ソルリ(本名チェ・チンり)の最後の姿がクローズアップされたドキュメンタリー映画「チンリへ」が初めて公開された。この作品は、ネットフリックスで公開される予定だった「ペルソナ:ソルリ」プロジェクトの計5本のうちの1本で、ソルリは撮影中の2019年10月に亡くなった。ドキュメンタリーの中のインタビューが、彼女の生前の最後のインタビューだ。映画は3回の上映チケットがすべて売り切れた。一般公開されるかどうかは決まっていない。


崔智善 aurinko@donga.com