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金行氏の降板は出発点に過ぎない…尹大統領自ら変わらなければならない

金行氏の降板は出発点に過ぎない…尹大統領自ら変わらなければならない

Posted October. 13, 2023 08:30,   

Updated October. 13, 2023 08:30

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女性家族部長官候補に指名された金杏(キム・ヘン)氏が昨日、長官候補を辞退した。大統領室と与党「国民の力」で10月11日に実施された江西区(カンソグ)庁長補欠選挙で見られた世論を反映し、金氏の指名を撤回しなければならないという空気が強まったことを受け、金氏が自ら候補辞退を表明する形となった。今回の江西区庁長補選で最大野党「共に民主党」の公認候補の陳校薰(チン・ギョフン)氏と国民の力の金泰佑(キム・テウ)候補はそれぞれ56.52%、39.37%を獲得した。陳氏は予想を破り17.15%差で当選した。

今回の補選の結果は、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の1年5ヵ月間の国政運営に対する審判と言っても過言ではない。実際、一地域選挙に止まるところだった補選を、6ヵ月後に与野党が戦う国会議員総選挙の前哨戦にしたのも尹大統領と与党だった。尹大統領は、今回の補選の原因を提供した人物に対する特別赦免・復権で出馬を可能にした。国民の力は「帰責事由があれば公認しない」という原則も破って公認状を渡し、選挙戦でも「大統領とホットラインがある候補」と持ち上げた。

その結果は、褒められることを挙げるのが難しい民主党の勝利だった。今回選挙での両氏の17%の得票率差は、あいにくも2020年の第21代総選挙での江西区全体の得票率差とほぼ同じだ。このまま総選挙を行えば「民主党180席、国民の力103席」の悪夢が再燃するという危機説が与党で浮上している理由だ。40%を超えられなかった与党の得票率は、尹大統領の国政支持率に似ている。前回の大統領選挙と地方選挙で尹大統領と国民の力を支持した中道層の離脱が顕著であることを示している。

与党内部と周辺では直ちに人的刷新と国政基調の変化を要求する声が高い。大統領室が数々の疑惑の中で、国会人事聴聞会の会場を途中退場した金氏を降板させたが、それはとっくに取るべき措置だった。選挙敗北後、やむを得ず切ったカードが民心の受け入れであってはならない。民心は時には気まぐれだが、いかなる為政者もその巨大な流れに逆らうことはできない。

変化と刷新は尹大統領自身から行動しなければならない。自らの認識と態度を変えることから始めなければならない。1年以上記者会見もしない不通、「被疑者」の野党代表とは会わないという傲慢さ、いたるポストに「側近」を任命して国政を引っ張っていこうとする単独行動、自らイデオロギー戦争の戦士として振る舞う独善から脱しなければならない。「他人のせい」ではなく「私のせい」を、省察の時間が必要だ。