中国「一帯一路」10年の明暗
Posted October. 13, 2023 08:30,
Updated October. 13, 2023 08:30
中国「一帯一路」10年の明暗.
October. 13, 2023 08:30.
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シルクロードは古代、東洋と西洋を結ぶ代表的な通商交易路だった。単に物資だけが行き来したのではない。様々な文化や宗教、技術も伝わった大通路だった。様々な北方民族が開拓したシルクロードは、秦の始皇帝の万里の長城や隋の大運河のように特定の人物や君主の命令で作られたものではない。人間のニーズと欲求が自由に発現して造成されたのだ。この意味で、シルクロードに内在した核心価値は「自由」かもしれない。中国の習近平国家主席が2013年、政権発足直後に掲げた「一帯一路」構想が10年を迎えた。「一帯」は中国西部-中央アジア-欧州を陸路で結ぶことを意味し、「一路」は中国南部-東南アジア-アフリカ-欧州を結ぶ海路だ。中国と欧州を結ぶこの構想をシルクロードになぞらえて「21世紀の陸上・海上新シルクロード」とも呼ばれる。中国は一帯一路線上にある国々と単なる経済協力を超えて経済共同体を構築するとして10年間走り続けてきた。新興経済国や開発途上国、低開発国が多い中央アジアとアフリカを集中攻略した。経済発展に向けて道路や鉄道、港湾、空港などのインフラ建設が切実なこれらの国々は中国の支援を必要としていた。中国は巨額の資金を融資し、これらの国にグローバルな影響力拡大のための拠点を設けた。米国とともに主要2ヵ国(G2)としての地位も強化した。特に中国は米国や他の欧米諸国とは異なり、莫大な支援をしながらもこれらの国の独裁政治や人権問題などに干渉しなかった。一帯一路10年を迎えた今年、中国は大々的な広報に乗り出した。中国国家発展改革委員会によると、過去10年間、152ヵ国と32の国際機関が海外経済領土拡大プロジェクトである一帯一路に参加した。アフリカだけでも総延長10万キロを超える高速道路と1千以上の橋、100以上の港が建設されたか、建設中だ。これにより多くの雇用が創出されたのも事実だ。一帯一路関連の中国の累積投資額(2022年基準)は9620億ドル(約1400兆ウォン)にのぼる。中国は一帯一路10年を記念する首脳フォーラムも17、18日に首都北京で開催する。ロシアのプーチン大統領をはじめ、世界130ヵ国の代表が参加する予定だ。驚異的な規模だ。しかし、一帯一路が低開発国を事実上中国に従属させる「債務の罠」という指摘が絶えない。中国がこれらの国の経済発展と国家成長を実質的に支援するどころか、むしろ経済規模に比べて過度の債務を背負わせたということだ。バイデン米大統領は最近、一帯一路について「基本的に債務と罠の協定」と非難した。格付け会社フィッチによると、今年4月現在、14件の国家デフォルト(債務不履行)のうち9件がスリランカやアルゼンチン、レバノンをはじめ一帯一路参加国で発生した。米グローバル開発センター(CGD)によると、一帯一路参加国のうち23ヵ国が破産の危機に直面している。21世紀の陸上・海上新シルクロードを標榜する一帯一路に対する世界の懸念が高まる理由だ。人間の好奇心と欲望に従って自由に開拓され、何百年も続いてきたシルクロードは、人類の発展史においてその役割を十分に果たした。しかし、新しいシルクロードを標榜し、21世紀の中国によって人為的に作られたこの「新しい道」が、人類に肯定的な役割を果たしているのか疑問だ。一帯一路が今後数百年持ちこたえるかどうか、あと10年も経てば分かるだろう。
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シルクロードは古代、東洋と西洋を結ぶ代表的な通商交易路だった。単に物資だけが行き来したのではない。様々な文化や宗教、技術も伝わった大通路だった。様々な北方民族が開拓したシルクロードは、秦の始皇帝の万里の長城や隋の大運河のように特定の人物や君主の命令で作られたものではない。人間のニーズと欲求が自由に発現して造成されたのだ。この意味で、シルクロードに内在した核心価値は「自由」かもしれない。
中国の習近平国家主席が2013年、政権発足直後に掲げた「一帯一路」構想が10年を迎えた。「一帯」は中国西部-中央アジア-欧州を陸路で結ぶことを意味し、「一路」は中国南部-東南アジア-アフリカ-欧州を結ぶ海路だ。中国と欧州を結ぶこの構想をシルクロードになぞらえて「21世紀の陸上・海上新シルクロード」とも呼ばれる。
中国は一帯一路線上にある国々と単なる経済協力を超えて経済共同体を構築するとして10年間走り続けてきた。新興経済国や開発途上国、低開発国が多い中央アジアとアフリカを集中攻略した。経済発展に向けて道路や鉄道、港湾、空港などのインフラ建設が切実なこれらの国々は中国の支援を必要としていた。中国は巨額の資金を融資し、これらの国にグローバルな影響力拡大のための拠点を設けた。米国とともに主要2ヵ国(G2)としての地位も強化した。特に中国は米国や他の欧米諸国とは異なり、莫大な支援をしながらもこれらの国の独裁政治や人権問題などに干渉しなかった。
一帯一路10年を迎えた今年、中国は大々的な広報に乗り出した。中国国家発展改革委員会によると、過去10年間、152ヵ国と32の国際機関が海外経済領土拡大プロジェクトである一帯一路に参加した。アフリカだけでも総延長10万キロを超える高速道路と1千以上の橋、100以上の港が建設されたか、建設中だ。これにより多くの雇用が創出されたのも事実だ。一帯一路関連の中国の累積投資額(2022年基準)は9620億ドル(約1400兆ウォン)にのぼる。中国は一帯一路10年を記念する首脳フォーラムも17、18日に首都北京で開催する。ロシアのプーチン大統領をはじめ、世界130ヵ国の代表が参加する予定だ。驚異的な規模だ。
しかし、一帯一路が低開発国を事実上中国に従属させる「債務の罠」という指摘が絶えない。中国がこれらの国の経済発展と国家成長を実質的に支援するどころか、むしろ経済規模に比べて過度の債務を背負わせたということだ。バイデン米大統領は最近、一帯一路について「基本的に債務と罠の協定」と非難した。
格付け会社フィッチによると、今年4月現在、14件の国家デフォルト(債務不履行)のうち9件がスリランカやアルゼンチン、レバノンをはじめ一帯一路参加国で発生した。米グローバル開発センター(CGD)によると、一帯一路参加国のうち23ヵ国が破産の危機に直面している。
21世紀の陸上・海上新シルクロードを標榜する一帯一路に対する世界の懸念が高まる理由だ。
人間の好奇心と欲望に従って自由に開拓され、何百年も続いてきたシルクロードは、人類の発展史においてその役割を十分に果たした。しかし、新しいシルクロードを標榜し、21世紀の中国によって人為的に作られたこの「新しい道」が、人類に肯定的な役割を果たしているのか疑問だ。一帯一路が今後数百年持ちこたえるかどうか、あと10年も経てば分かるだろう。
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