借主の伝貰(チョンセ、賃貸保証金)保証金を常習的に踏み倒す悪質的な貸主の代わりに、住宅都市保証公社(HUG)が返済した伝貰保証金(代位返済額)が1兆7143億ウォンにのぼることが分かった。HUGはこのうち1674億ウォンしか返済されず、回収率は9.7%にとどまった。国民の税金を財源とする伝貰保証が悪質な貸主の「不法財産の増殖」に悪用され、これによるHUGの損失を再び政府が税金で補う悪循環が繰り返されているという指摘が出ている。
HUGが18日、国会国土交通委員会所属の最大野党「共に民主党」の洪起元(ホン・ギウォン)議員室に提出した「伝貰保証金の返還保証の実績および代位弁済の現状」によると、今年8月基準で悪質な貸主に対する代位弁済額は1兆7143億ウォンとされた。この内、10軒以上保有した「多住宅の悪質貸主」の代わりに返した金額は1兆4860億ウォンに達するが、返還されたお金は1171億ウォンにとどまり、回収率は7.9%だった。
伝貰詐欺が続き、HUGの代位返済額も急増しているが、回収率は低迷しており、今年のHUGの純損失は3兆4000億ウォンに達するという見通しが出ている。
漢陽(ハンヤン)大学都市工学科のイ・チャンム教授は、「貸主が返さなければならない伝貰保証金を、公共が事実上責任を負う現在の伝貰保証体系の全般にメスを入れることが急がれる」と話した。