尹大統領「私と内閣が反省」、意思疎通と刷新で本気度を示さなければ

尹錫悦（ユン・ソクヨル）大統領が江西（カンソ）区長補欠選挙の敗北と関連して、参謀たちに「国民はいつも無条件に正しい。どんな批判にも言い訳をしてはならない」と述べたと、大統領室が伝えた。また、与党「国民の力」の党４役との昼食会でも、「民生にすべての焦点を合わせなければならない」と述べ、民生疎通強化の考えを明らかにした。前日の国民統合委員会の非公開の夕食会では、「私と内閣が振り返って反省する」とし、補選後初めて「反省」を言及したという。

尹大統領の発言は、江西補選の大敗の最大の原因が一方的なリーダーシップと意思疎通の方法など自身の国政運営方式にあるという指摘を受け、変化を図るという意味と解釈される。尹大統領は補選直後、与党に「冷静かつ賢明に」変化を推進するよう注文したが、自身の責任は後回しにするような態度に見えたのが事実だ。直接的な公開発言ではなく、出席者の伝言という点が残念だが、「反省」に言及し、民心に従うという考えを明らかにしたことは評価できる。

このような認識の変化は、補選以来、尹大統領の口から理念的な発言が消え、すでに現れていた。少し前まで、尹大統領は、「理念が一番重要だ」とし、「反国家勢力」「共産全体主義」「偽の平和」といった攻撃的な発言を繰り返していた。しかし、最近、安保関連行事でさえも理念の色を消し、これまで後回しにしていた国民統合委員会の政策提案を絶賛した。国民を分断する言葉を控え、民生と実用を優先するというメッセージとして受け取ることができる。

尹大統領は、そのような意志を国政運営の具体的な変化で示してほしい。何よりも大統領室と政府、公共機関の人事を通じて変化を実感できるようにしなければならない。これまで尹大統領の人選では、物議を醸す闘士型の人物や「自分の側」の「昔の人」を使うケースが少なくなかった。大統領の人事がそうだから、敗北後の与党の新しい党役員人事でも刷新の意志は見られない。人材プールを大幅に拡大し、国民が共感し、民心を余すところなく伝える人物を探さなければならない。

意思疎通の方法にも抜本的な変化が必要だ。尹大統領の対国民記者会見がなくなってから１年以上経ち、出勤時の質疑応答すらなくなり、記者との接触もない。行事の演説や側近の伝聞で聞く尹大統領の発言に本気度が感じられないのも、このような意思疎通の不在のためだ。それが人であろうと慣行であろうと、尹大統領は自分を取り巻く障壁から果敢に取り払わなければならない。そうすれば、民心を正しく読み、それを基盤に国政の基調も正しく捉えることができる。