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国がなくなる危機に瀕しても少子化問題に向き合わない政治家たち

国がなくなる危機に瀕しても少子化問題に向き合わない政治家たち

Posted October. 21, 2023 08:43,   

Updated October. 21, 2023 08:43

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「大学入試?外国の大学に行かせるべきです。国内の大学に行かせて何をしますか。国がなくなるのに…」

最近、小学生の子どもを持つ親と会い、こんな話を聞いた。いわゆる「韓国の私教育1番地」と呼ばれるソウル江南区大峙洞(カンナムク・テチドン)に住む親だが、入試について聞いたところ、少子化についての答えが返ってきた。

大峙洞の親は、韓国のどの親よりも教育政策に敏感に反応し、最新の入試戦略と傾向をリードする専門家だ。この親もすでに「孟母三遷の教え」を実践し、学区を考慮して住む場所まで大峙洞に移した。しかし、この親は、「このままでは数十年後に国がなくなるかもしれないのに、子どもを医学部や法学部に入れることに何の意味があるのか」とし、「最近、このような話をする江南の母親が少なくない」と話した。少子化問題を遠い未来ではなく、目の前に迫った危機として認識しているのだ。

統計庁によると、40年前の1983年、女性1人が生涯産むと予想される出生児数は平均2.06人だった。合計特殊出生率が2.1人未満だと低出生率国に分類される基準により、当時すでに低出生率国だった。

しかし、適切な対策を立てなかったため、出生率は下がり続け、2001年に超低出生率国(1.3人未満)になった。その後、05年に初めて政界は、慌てて少子高齢社会基本法を作り、予算を投入し始めた。15年以上280兆ウォンを投入した結果は悲惨だ。昨年の出生率は0.78人で、世界で最も低かった。

少子化の警告灯は数十年前から灯っていた。しかし、政界と政府は、現金支給のばらまき政策を乱発しただけで、問題を解決することも、問題の深刻さを国民に知らせることもできなかった。第21代国会では人口危機特別委員会を設置し、10ヵ月間で会議がわずか4回開かれた。少子化関連法案は435件提出されたが、本会議を通過したのは19件にすぎなかった。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領と最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)代表は共に昨年の大統領選で少子化の解決を公約に掲げたが、体感できる変化はなかった。来年の総選挙の公認に死活をかけている国会議員たちは、国家的課題である少子化問題の代わりに選挙区の事業に没頭している。

ソウル江西(カンソ)区長補欠選挙で敗北した与党「国民の力」では、李俊錫(イ・ジュンソク)元代表と安哲秀(アン・スンヒョン)議員が責任論争を繰り広げている。大統領候補級の政治家が互いを牽制するために幼稚な論争をしているその瞬間にも、少子化の状況はさらに悪化し、国家的危機は深刻化している。

朴槿恵(パク・グンヘ)政権下で与党代表を務めた金武星(キム・ムソン)元セヌリ党代表は、「少子化問題を解決できなければ国が滅びる」という言葉を口癖のように言っていた。解決策は提示できなかったが、国家的難題を解決しなければならないと真摯に悩んでいた。しかし、その後、少子化問題を真摯に考えているという印象を受けた政治家はいない。政治家が江南の親よりも少子化問題に無関心なら、本当に国が滅びるかもしれない。