「エジンの日記に願い事として『母校に寄付する』と書かれていました。いつも夢を見て挑戦していた娘の気持ちが後輩たちに伝わることを願っています」
昨年10月の梨泰院(イテウォン)雑踏事故で犠牲になった故シン・エジンさん(高麗大学生命科学部・17学番)の父親、シン・ジョンソプさん(53)は20日、東亜(トンア)日報の電話取材に対して、淡々と語った。前日19日はエジンさんの25歳の誕生日だった。受話器の向こうから聞こえてきたジョンソプさんの声には、娘を懐かしむ思いが伝わってきた。
エジンさんの遺族は同日、故人の遺志を称え、奨学基金2億ウォンを母校である高麗(コリョ)大学に寄付した。城北区(ソンブクク)の高麗大学本館で行われた「故シン・エジン交友及び遺族奨学基金寄付式」には、金東元(キム・ドンウォン)総長や遺族らも参加した。ジョンソプさんは、「娘は高麗大学の学生であることをいつも誇りに思っていた」とし、「普段、娘が夢見ていたことを代わりにしただけ」と話した。
奨学基金は、エジンさんがアルバイトや会社勤めで少しずつ貯めたお金と友人たちからの香典で造成された。エジンさんが通っていた生命科学部と経営学部経営戦略学会(MCC)の後輩たちに伝えられる予定だ。
今年初め、エジンさんの母親は偶然、故人の日記にバケットリストとして「母校に寄付する」「母校に建物を建てる」と書かれているのを見たという。このことを機に、ジョンソプさんは今月中旬、エジンさんの友人に「学校に寄付する」考えを伝えた。それを聞いた友人たちが「一緒にしよう」と寄付の意向を示したという。
ジョンソプさんは、「娘の葬儀に多くの友人が来てくれたが、(香典を)使うことができなかった」とし、「娘の名前を覚えていてほしい」と話した。
キム・スヒョン記者 newsoo@donga.com