バイデン大統領「地上部隊投入を延期すべき」、ハマスは２人の米国人人質を解放

バイデン米大統領は２１日（現地時間）、パレスチナ・ガザ地区への地上部隊投入を準備しているイスラエルに、「（投入を延期するよう）話している」と明らかにした。地上戦の開始が戦争への拡大を招くとの懸念が高まる中、イスラエルに圧力をかけているのだ。

バイデン氏は同日、「イスラエルにガザ侵攻の延期を促しているのか」という取材陣の質問にこのように述べた。バイデン氏は前日、「より多くの人質が解放されるまで地上戦を延期すべきか」という質問にも「そうだ」と答えた。ホワイトハウスは、「大統領が質問全体を聞いていない。『より多くの人質解放を望むか』と聞いた」とすぐに否定したが、翌日、イスラエルに地上戦の延期を説得していることを明らかにしたのだ。

イスラエル軍は地上戦の前段階である空爆を拡大した。イスラエル軍のハガリ報道官は同日、「（ガザ地区北部の）ガザシティへの空爆を強化する」とし、「可能な限り最良の条件で進入できるよう環境を造成するのが次の段階の戦争を控えた今すべきこと」と述べた。一方、米国と欧州は、イスラム組織ハマスに拉致された人質約２００人が解放されるまで地上戦を遅らせるようイスラエルに圧力をかけるとみられる。

ハマスはイスラエルを奇襲攻撃して民間人を拉致してから１３日が経った２０日、米国人母娘２人を解放した。人質解放直後の２１日、ガザ地区にトラック２０台分の水、食料、医療品などの救援物資も初めて届けられた。

イスラエルの地上部隊投入が目前に迫る中、イランが支援するレバノンの武装組織ヒズボラなどは、戦争への拡大の脅威を高めている。ヒズボラのナンバー２のナイム・カセム副代表は２１日、「ヒズボラはすでに戦争の中心部に入っている」と警告した。

米国は戦争への拡大に備えて、中東に高高度迎撃ミサイルシステム（ＴＨＡＡＤ）砲台とパトリオットミサイル大隊の追加配備を開始した。空母２隻に続き、アフガニスタンからの軍部隊の撤退後に削減した中東内の米軍戦力を増強したのだ。オースティン米国防長官は同日、声明で、「緊急準備計画の一環として『投入命令待機』兵力を追加で増やした」と明らかにした。


ワシントン＝ムン・ビョンギ特派員　カイロ＝キム・ギユン特派員 weappon@donga.com