フランス・カンヌで16~19日(現地時間)に開かれた第39回グローバル放送コンテンツマーケット「MIPCOM」。かつて米国やフランスなど、「コンテンツ大国」の専有物だった1階の入口の「ブース」を埋めたのは韓国共同館だった。ドキュメンタリー「貴族食堂」を制作したビッグハウスエンターテインメントのブースには、3日間、フランステレビやギネスブックなど30余りの企業関係者が休む間もなく集まった。ビッグハウスエンターテインメントのイ・ソンヨン代表は、「一流企業のほうから先に、コンテンツアイデアまで提示してもらい、共同制作しようというラブコールを受けて驚いた。非人気ジャンルだったドキュメンタリーまで、韓国コンテンツに対する海外の関心が高まったことを体感した」と話した。
文化体育観光部と韓国コンテンツ振興院は、韓国国内放送コンテンツ制作会社と共に世界最大規模の放送コンテンツマーケットMIPCOMに参加した。今年、約100ヵ国の関係者1万1000人が訪れたMIPCOMには、米ワーナーブラザーズや英BBCスタジオなどがバイヤーとして参加した。韓国では過去最多の34社が参加した。今年、MIPCOMが達成した輸出相談総額は5345万ドル(約722億ウォン)で、昨年(3293万ドル、約445億ウォン)より62%も伸びた。
韓国は、国家共同館の中では唯一、屋外テラスブースまで設けたが、海外バイヤーが大勢集まってテーブルを追加で用意しなければならなかった。KTスタジオジニーブースを訪れた中東地域の最大手の通信会社エティサラットのバイヤー、メガ・クカール氏は、「Kドラマは無駄なく明確な叙事、ファン層が確保された俳優たちが出演するのが強みだ」とし、「1作品当り数十本を越える他のアジア地域のコンテンツとは異なり、6~12本で構成され、視聴者と配給会社のともにアプローチし易い」と話した。
知識財産権(IP)をめぐる競争が激しくなり、韓国国内企業はIP活用度を高めたコンテンツでバイヤーから注目を集めた。チャンネルAの「流れない川オカバンゴ」など、自然ドキュメンタリーを制作してきたワイルドテールは、動物実写化のアニメーションで海外5社と輸出覚書(MOU)を交わした。ワイルドテールのイ・ハンジョンPDは、「グッズ製作に有利で、今後、人工知能(AI)の技術とも結合が可能で反応が良かった。『コリアンプレミアム』まで付いて、期待以上の成果を上げた」と話した。
18日は、海外関係者200人余りを対象に、国内企業の新作を紹介するショーケースが行われた。中小制作会社のグローバル跳躍支援事業に選ばれ、IP開発の支援を受けた12社が参加した。俳優ビョン・ヨハン主演のドラマ「ブラックアウト」(放映予定)を制作し、ドラマ「未生」(2014年)「シグナル」(2016年)の演出に参加したヒドゥンシークエンスのイ・ジェムン代表は、「最近、国内制作コストが高騰し、海外市場を開拓することは必須となった。MIPCOMは、慈雨の雨のような機会だ」と話した。
Kドラマと映画がオンライン動画サービス(OTT)のプラットフォームで世界的な注目を集めると、これらの作品に出演した主演俳優たちが出てくる韓国芸能番組への関心も高まっている。CJ・ENM海外コンテンツ事業チームのミン・ダヒョン部長は、「以前は、韓国芸能を現地化して放映する契約が中心だったとすれば、最近は韓国芸能をそのまま放映しようとする需要が多くなっている。ディズニープラスの「ムービング」の主演俳優チョ・インソンとチャ・テヒョンが出演する芸能『見習い社長の営業日誌3』に対する問い合わせが殺到した」と話した。
칸=이지윤 カンヌ leemail@donga.com