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イスラエル「人質解放のための停戦はない」、ハマスは「地上戦阻止」でイランと密着

イスラエル「人質解放のための停戦はない」、ハマスは「地上戦阻止」でイランと密着

Posted October. 24, 2023 08:41,   

Updated October. 24, 2023 08:41

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イスラム組織ハマスの拠点であるガザ地区へのイスラエルの地上部隊投入をめぐり一触即発の緊張がエスカレートしている中、22日(現地時間)、ガザ地区内で作戦中だったイスラエル兵士1人が死亡した。7日のハマスの攻撃で今回の衝突が起って以来、ガザ地区での初の交戦だと、米CNNは伝えた。双方が一種の地上の局地戦を開始したという分析が出ている。

米国など国際社会の地上部隊投入延期の圧力にもかかわらず、イスラエルは「ハマスに拘束された民間人人質の解放交渉のための停戦はない」とし、地上戦強行の考えを強調した。これに対し、ハマスの指導者イスマイル・ハニエ氏も、最大の支援者であるイランのアブドラヒアン外相と電話で、イスラエルの攻撃を阻止する考えを明らかにした。

●イスラエル軍、ガザ地区内で死亡

CNNなどによると、イスラエル軍のハガリ報道官は同日、「ガザ地区の分離壁の西側でハマスの攻撃で作戦中だった兵士1人が死亡し、3人が負傷した」と明らかにした。死傷者は地上戦に備えて戦車と工兵車両などで周辺地域を整備していたところ、ハマスの対戦車誘導ミサイル攻撃を受けた。

このように地上部隊投入の際、双方の兵士と民間人の大規模な犠牲が避けられないという懸念にもかかわらず、イスラエルは連日、地上戦開始の考えを強調している。イスラエルの政府当局者は同日、CNNに「人質解放交渉のための停戦はない」と断言した。同当局者は、地上部隊投入の延期を求める米国の圧力についても「よくわからない」と一線を引いた。人質解放の努力と民間人犠牲の懸念がハマスを排除する作戦に影響を与えることは許されないとも強調した。

イスラエルのネタニヤフ首相も、ハマスを念頭に「彼らは殺されなければならない」と繰り返し強調した。ハマスを排除しなければイスラエルが先に死ぬとし、「殺すか、殺されるかの問題」と主張した。

ハマスの対応も早まった。ロイター通信などによると、カタールにいるハニエ氏は同日、アブドラヒアン氏と電話で、「イスラエルの犯罪を阻止するすべての手段を議論した」と明らかにした。

●「地上戦のジレンマ」も強まる

イスラエルは強硬なメッセージを出しているものの、地上部隊投入に対して苦慮している。地上戦に突入し、民間人の被害が大きくなると、国際世論が悪化し、米国の全面的な支援を得られない可能性があるためだ。イランの支援を受けるレバノンのシーア派武装組織ヒズボラは、「イスラエルが地上戦を開始すれば、我々も参戦する」と明らかにした。イスラエルはガザ地区ではハマス、北部国境地帯ではヒズボラと「2つの戦争」を行わなければならない可能性があり、この場合、米国の軍事的支援が不可欠だ。

ガザ地区の掌握までの所要時間の見通しも交錯する。イスラエルのガラント国防相は22日、「この作戦(地上戦)が3ヵ月間続く可能性がある」と見通した。しかし、オースティン米国防長官は同日、米ABCのインタビューで、少なくとも9ヵ月かかると異なる見通しを示した。オースティン氏は、米軍など連合軍が2016~17年にスンニ派の過激派組織「イスラム国」(IS)からイラクのモスルを奪還した際にも9ヵ月かかったとし、ハマスはISとは異なり、ガザ地区のあちこちに細かく地下トンネルを作ったとし、「市街戦は非常に困難」と述べた。当時、約1万1千人の民間人が死亡した。

ただし、ハマスに対するイスラエル内部の批判世論が強い状況で、ネタニヤフ氏が低い支持率を挽回するためにも強硬策を維持するという見方も依然としてある。このため、まずヒズボラに大規模な空爆を行った後、ガザ地区に地上部隊を投入すべきだという声も出ている。イスラエルのメイア元首相顧問は、米紙ウォールストリート・ジャーナルに、「イスラエルが1年以上続く地上戦で得られる戦略的利益はない」とし、ヒズボラのミサイル能力を減少させることが優先だと強調した。


カイロ=キム・ギユン特派員 ワシントン=ムン・ビョンギ特派員 pep@donga.com