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弁護士になった理由

Posted October. 25, 2023 09:21,   

Updated October. 25, 2023 09:22

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偏見と不義に満ちた世界のように見えても、どこかに信念があり、善意がある。今上映中のハ・ジュリー、イ・ソンミン監督の「Free Chol Soo Lee」(イ・チョルスを解放せよ)は、そのような信念と善意を見せてくれるドキュメンタリー映画だ。

1973年、サンフランシスコのチャイナタウンで中国人ギャングの幹部が射殺される事件が発生した。20歳の韓国系の青年イ・チョルスが殺人容疑で逮捕され、終身刑を言い渡された。韓人社会は恥ずべきことだと彼を見捨てたが、彼と知り合いだった同年代の日系3世のランコ・ヤマダは、彼の無実を確信した。彼女は持っていた500ドルを手に弁護士を探し回ったが、彼らの関心は弱者の弁護ではなかった。弁護士は着手金として5千ドルを要求した。失望した彼女は進路を変え、自ら弁護士になることを決意した。

その間、彼女は人を探して救命運動に乗り出した。「サクラメント・ユニオン」に勤務するイ・ギョンウォン調査報道主任記者にイ・チョルスに会ってほしいと懇願したのも彼女だった。記者はイ・チョルスに面会し、6ヵ月にわたって数千ページに及ぶ裁判記録を検討し、事実を確認した。裁判は最初から間違っていた。警察、検察、裁判官、官選弁護人までイ・チョルスを中国人だと思った。彼らは、彼のアリバイを確認せず、彼が犯人ではないという情報を無視した。彼らが出した証人は、東洋人は皆同じに見える白人たちだった。ひと言で言って、人種差別的なでたらめ裁判だった。そのような記事が、米国小説の父、マーク・トウェインがかつて勤務していた「サクラメント・ユニオン」に掲載されると、韓人社会が動き、他のアジア系移民が加わった。最初のアジア人人権運動のおかげで、イ・チョルスは再審を経て10年ぶりに釈放された。

彼が釈放された時、ランコ・ヤマダは弁護士になっていた。彼女の信念と善意が人を救った。偏見と不義に満ちた世の中が、まだ生きる価値があるのは、正義に渇望する人々がいるからだ。この映画でそんな人々に注目すべき理由だ。