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木造船で亡命した北朝鮮住民「北の体制が嫌で韓国に憧れ。計画を立てて自由を求めてきた」

木造船で亡命した北朝鮮住民「北の体制が嫌で韓国に憧れ。計画を立てて自由を求めてきた」

Posted October. 26, 2023 08:42,   

Updated October. 26, 2023 08:42

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24日未明、小型の木造船に乗って東海(トンへ)上の北方限界線(NLL)を越えて海上から亡命した北朝鮮の一家は、「普段から韓国社会に憧れ、長い間計画を立てて亡命を実行した」と話しているという。また、「北朝鮮体制が嫌で自由に生きるために来た」、「自由を求めて来た」という趣旨の話もしているという。

25日、東亜(トンア)日報の取材を総合すると、彼らは前日、東海NLLを越えて韓国海洋警察と軍に身柄が確保された直後、関係当局の調査でこのように話した。政府消息筋は、「複数の経路を通じて、韓国社会が北朝鮮より住み良いということを知り、憧れていたという趣旨の話をした」と伝えた。

5月に漁船に乗って西海(ソへ・黄海)上のNLLを越えて海上亡命した2人の北朝鮮住民は、韓国のテレビを密かに見たり、国内の脱北団体が北朝鮮に送った大型風船に入れられたUSBメモリーなどを通したりして韓国社会の実情に接したと話した。今回亡命した一家も同様の経験をした可能性があるとみられている。

今回亡命した北朝鮮一家は、ますます悪化する食料難に耐えられず、住民統制と抑圧がひどい北朝鮮体制にも不満を感じ、長期間にわたって計画を立てて脱北したと話したという。別の消息筋は、「彼らが厳しい経済状況について話し、『自由に生きるために来た』、『自由を求めて来た』という趣旨で亡命の理由を明らかにしたと聞いている」と伝えた。

彼らは木造船を準備して、北朝鮮当局の監視が緩い日を「Dデイ」と決めて亡命したとみられる。60代の女性を含む3人の女性と1人の男性の一家4人の健康状態は比較的良好だという。

関係当局は、彼らの居住地や出発地及び出発時間、具体的な亡命経路などを把握したが、身元が確認されて北朝鮮に置いてきた家族の身の安全が脅かされることを考慮して公開しない方針だ。彼らは現在、ソウル某所に移され、関係当局の合同尋問を受けている。

彼らが乗ってきた小型の木造船は、江原道襄陽(カンウォンド・ヤンヤン)の部隊に移され、調査が行われている。ある消息筋は、「メディア報道を通じて亡命の事実を把握した北朝鮮が、脱北発生地域と身元を突き止め、責任者の問責などに動くとみられる」と話した。

彼らの海上亡命当時、北朝鮮の漁業指導船数隻が東海NLL以北付近で活発に動く様子が韓国軍のレーダーに捉えられたという。北朝鮮軍が一家が乗った木船のNLL越えの事実を把握し、急いで捜索・追跡に乗り出したと、韓国軍は見ている。

軍はこれを特異な兆候と見て、海軍の高速艇と海上哨戒機を緊急出動させた。その後、江原道束草(ソクチョ)北東のNLL以南の海上でレーダーなどで北朝鮮の木造船と思われる船を確認した。当時、軍は木造船の亡命の可能性及びこれを捜索する北朝鮮船舶のNLL侵犯などの偶発的な事態に備えて、申源湜(シン・ウォンシク)国防部長官に関連状況をリアルタイムで報告したという。


尹相虎 ysh1005@donga.com