アリゾナ・ダイヤモンドバックスとニューヨーク・ヤンキースが対戦した2001年ワールドシリーズ(WS)は、米大リーグ史上最も熾烈だったポストシーズン(PS)勝負の一つに挙げられる。Dバックスはホームで先に2勝を挙げたが、ニューヨークで3連敗を喫した後、再び本拠に戻って2連勝を収め、1998年の球団創立以来3年ぶりに世界一に上り詰めた。
当時Dバックスの抑えだった金炳賢(キム・ビョンヒョン、写真)は、WS第4戦で9回裏にティノ・マルティネスに同点本塁打、10回裏にデレク・ジーターにサヨナラ本塁打を浴びてマウンドに座り込んだ。第5戦でもスコット・ブロシアスに本塁打を打たれた。Dバックスは第7戦で「ワンツーパンチ」カート・シリングとランディ・ジョンソンを投入する総力戦を繰り広げた。そして1-2でリードされていた9回裏にヤンキースの「守護神」マリアノ・リベラを倒して3-2の逆転勝ちを収めた。
その年を最後に昨年までの21年間WS舞台を踏むことができなかったDバックスが、今年もう一度「シンデレラストーリー」に挑戦する。Dバックスは25日、フィラデルフィア・フィリーズで行われたナショナルリーグ優勝決定シリーズ第7戦でフィリーズを4-2で下し、シリーズ戦績4勝3敗でWS行きのチケットを手にした。
Dバックスのレギュラーシーズンの勝率は.519(84勝78敗)に過ぎなかった。今年のPSに進出した12チームの中でマイアミ・マリーンズと共に勝率が最も低いチームだった。PSの対戦組合せが決まった後、ラスベガスのギャンブラーたちが予想した優勝確率も2.0%と最下位だった。これまで1シーズンに162試合を行ったチームが84勝の成績でWSに進出したケースは一度もなかった。
しかしDバックスはワイルドカードシリーズ(3戦2勝制)でナ・リーグ中地区優勝チームのミルウォーキー・ブルワーズを2勝無敗で制した後、地区シリーズ(5戦3勝制)でも西地区優勝チームのロサンゼルス・ドジャースを3勝無敗で軽く破った。そして、やはりワイルドカードシリーズから始まり、ナ・リーグ優勝決定シリーズまで上がったフィリーズまで退けては世界一まで狙えるようになった。
ナ・リーグ最優秀選手(MVP)は、PSに入ってDバックスの攻撃の中核に浮上したユーティリティープレーヤーのケーテル・マルテに贈られた。マルテはリーグ優勝決定シリーズ7試合で打率.387(31打数12安打)を記録した。マルテは同日も3-2でリードしていた7回表、1死1塁の状況で2塁打を放ち、2017年に始まったPS連続試合安打を16に伸ばした。マルテがWS第1戦でも安打を打てば、PS最多連続試合安打に並ぶ。
DバックスのWS相手は1961年創設以来初制覇に挑むテキサス・レンジャーズだ。やはりワイルドカードでスタートしたレンジャーズも第7戦にもつれた激闘の末、ヒューストン・アストロズを下して先にWSに進出した。ワイルドカードチーム同士でWSが繰り広げるのは2002年と2014年に続いて3度目だ。
WS第1戦は28日午前9時3分、レンジャーズの本拠グローブライフ・フィールドで行われる。グローブライフ・フィールドとDバックスの本拠チェイスフィールドはいずれも開閉型ドーム球場だ。ドーム球場をホームに使うチーム同士がWSで対戦するのは初めて。
李憲宰 uni@donga.com