Go to contents

来年度も「税収不足」可能性が高いのに総選挙用予算を増やしてもいいのか

来年度も「税収不足」可能性が高いのに総選挙用予算を増やしてもいいのか

Posted October. 27, 2023 08:54,   

Updated October. 27, 2023 08:54

한국어

2024年は始まってもいないのに、すでに来年の税収不足を心配する声が聞こえる。ある政府関係者は、「来年も、『税収不足』が発生せざるを得ない」とし、「昨年は異例に税収が多かった」と話した。すでに今年は、史上最大規模の税収不足が確実となっている。政府は先月、税収の再推計結果を発表し、今年の国税収入は当初の予想より59兆1000億ウォンが足りないと明らかにした。昨年、実際に徴収された税金と比べると、今年の税収は55兆ウォン少ないものと予想される。

予想より税金が少なく徴収される税収不足は、来年も続く可能性が高い。今年第3四半期(7~9月)も、大企業の業績は低迷している。SKハイニックスは第3四半期に1兆8000億ウォンに達する赤字を出し、三星(サムスン)電子の営業利益は、1年前より78%減少した。全体国税収入の約20%を占める法人税は、前年度の企業業績に基づいて徴収される。今年は、昨年と違って、1年中景気低迷が続いている。来年の法人税は、今年ほど徴収されることも容易ではない。

税収が予想から大きく外れるのが一度で終わっていないことも、来年の税収不足に説得力を与えている。国会予算政策処は、今年8月、税収誤差の原因を分析した報告書で、「予想できなかった景気の急変が、税収誤差の主な要因だ」とし、「景気局面の転換時に、大規模な税収誤差が発生すれば、該当年度だけでなく以後2、3年間は持続する特徴を示している」と指摘した。政府が来年度の予算を組んで予測した来年度の国税収入は、367兆4000億ウォンだ。来年、税金が、経済が成長した分だけ徴収されるとしても20兆ウォンが足りない。

にもかかわらず与党は、国会の来年度の予算案審査が第一歩を踏み出す前に、民生予算を増やすとしている。国民の力の政策委員会は最近、政府予算案を「リビルディング」並みに見直すという方針を立て、全面的な再検討に入った。まず、現在5兆ウォンほど編成されている小規模自営業者の予算を増額する案を検討している。ソウル江西区(カンソグ)区長選挙の敗北で、来年の総選挙に赤信号が灯っているだけに、総選挙の民心をつかむために、予算を見直すという。

全国の里長や統長(町長)に支給する手当てを10万ウォンずつ引き上げるのに、与野党は久しぶりに意見が一致した。与党「国民の力」の兪義東(ユ・ウィドン)政策委議長は24日、町長に支給する月間基本手当ての基準額を40万ウォンに引き上げるよう、政府と地方自治体に公式要請した。昨年の大統領選挙での尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の公約を、総選挙まで6ヵ月も残っていない時点で持ち出したのだ。最大野党「共に民主党」は、「里長手当は20万ウォン、統長手当は10万ウォン引き上げ」は自分たちの大統領選挙公約でもあったとし、「公約が実現できるよう、責任を全うする」と受け取った。

家庭も家計を切り盛りする時に、入ってくるお金が減ると、支出を減らす。来年の政府の総支出は657兆ウォンに迫る。税収の不足が発生しなくても、入ってくるお金より出るお金の方が多い。政府はこれまで、予算案が国会の敷居をまたがることができるよう、「メモ予算」等を国会可決費用として出してきた。韓国銀行の李昌鏞(イ・チャンヨン)総裁は、「来年の成長率を2.2%と予想したが、中国経済や中東事態がどうなるかによって再び原点から考えなければならないだろう」と話した。一寸先も見えない状況で、政府がどれだけ多くの総選挙用のばらまき予算を国会可決費用として出しながら、支出を増やすのか見守るべきだ。