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「C評価」改革案をF評価に…露呈した政府の年金改革妨害

「C評価」改革案をF評価に…露呈した政府の年金改革妨害

Posted October. 30, 2023 08:32,   

Updated October. 30, 2023 08:32

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27日に公開された政府の国民年金改革案について、「いくら払っていくら受け取るのか数字が抜けた『白紙』改革案」という批判が相次ぐ中、保健福祉部は29日、「政府の年金改革の意志は確固たるもの」という説明資料を出した。しかし、保健福祉部の諮問機関である財政計算委員会の議事録を見ると、政府の改革の意志を疑わせる。「より多く払い、より遅く受け取る」方向に傾いていた委員会が「受け取る金額」を引き上げるという提案を土壇場で追加した背景には政府の要請があったことが確認された。

先月の公聴会で財政計算委員会は、支給額と受給時期を組み合わせた18の改革案を提示し、「無責任」との批判を浴びた。議事録によると、内部の会議でも「C評価以上は難しい」「国民はどうしろと言うのかと言うだろう」と強い批判が出たという。ところが、13日の最終会合では、保健福祉部の年金政策官が、「政府の立場としては、いろいろな提案をしてほしい」と受給額(所得代替率)の引き上げ案を盛り込むよう要請し、最終報告書には24のデパート式改革案が盛り込まれた。有識者会議が一つの案を出すよう誘導すべき政府が、むしろ選択肢を増やし改革論議を後退させたのだから、年金改革の足を引っ張ったと非難されても仕方がない。

説明資料で重要な数字が抜けているとの指摘に対し、保健福祉部は、歴代政府でも具体的な数字を示さず、改革の方向性だけを示したことが2度あったと主張する。しかし、これも文脈を無視し、事実を誤魔化すための言い訳だ。李明博(イ・ミョンバク)政府の2008年の年金改革案で数字が省かれたのは、その1年前の盧武鉉(ノ・ムヒョン)政府が所得代替率を40%に引き下げる改革をしたからだ。13年の朴槿恵(パク・グンヘ)政府は当初から保険料を引き上げないと明言したので、「保険料の引き上げは避けられない」と言って数値を省く今政権と比較することはできない。しかも、朴政府は14年の公務員年金改革で70年間で333兆ウォンの財政節約効果を出した。

少子高齢化、低成長を考えれば、政府が言うように「年金改革は避けて通れない時代の課題」だ。私たちと同じ問題に悩む日本は、早くから改革を実施し、100年分の年金を積み立ててきた。しかし、日本より少子高齢化のスピードが速い韓国は、32年分の年金しかないにもかかわらず、改革は考えにも及ばない。政府は荒唐無稽な言い訳をしている暇はない。国民年金制度の深刻な現状を公表し、消えつつある改革の火種を何とか生かさなければならない。