イスラエル軍が27日(現地時間)夜からイスラム組織ハマスの拠点であるガザ地区に大規模な地上部隊を投入し、戦闘が起こって以来最大の爆撃を行うなど、作戦を展開している。イスラエルのネタニヤフ首相は、戦闘が「第2段階に突入した」と宣言した。イスラエル軍は「全面戦争」や「侵攻」などの表現は避けたが、事実上、ハマスとの地上戦を開始したとみられている。
ネタニヤフ氏は28日、記者会見を開き、7日のハマスの攻撃に対する報復空爆で始まった戦闘の「第2段階」突入を宣言し、目標は「ハマスの統治能力、戦闘能力を破壊」して、「人質を取り戻すことだ」と説明した。そして、「長く困難な戦いだ。私たちは準備ができている」と強調した。
これに先立ち、イスラエル軍のハガリ報道官は同日、「軍隊がその地(ガザ地区北部)に駐留しており、戦闘を続けている」と明らかにした。23日に初の「限定的な地上作戦」とし、作戦を終えた歩兵・装甲部隊を撤収させた時とは違うことを強調したのだ。イスラエル空軍は、爆撃でハマスの坑道やバンカーなど約150ヵ所を破壊し、ハマスの空中戦を担っていたイッサム・アブ・ルークベ司令官が死亡したと発表した。米紙ニューヨーク・タイムズ、英BBCなども、「最も長く、野心的な地上攻撃」「非常に大規模な軍事作戦」とし、地上戦の局面に転換したと伝えた。
中東全域には緊張感が高まっている。イランのライシ大統領は29日、ソーシャルメディアX(旧ツイッター)に、「シオニスト政権(イスラエル)の犯罪はレッドライン(越えてはならない一線)を越えた」とし、「誰もが行動せざるを得なくなるかもしれない」と警告した。バイデン米大統領は27日、イランとイランの支援を受けている武装組織の米軍基地攻撃や参戦の可能性について「さらなる措置を取る準備ができている」と述べた。
カイロ=キム・ギユン特派員 pep@donga.com