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過失がなくても数億ウォンの補償、必須医療の訴訟の負担を軽減しなければ

過失がなくても数億ウォンの補償、必須医療の訴訟の負担を軽減しなければ

Posted November. 04, 2023 08:33,   

Updated November. 04, 2023 08:33

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医師の過失なく発生した不可抗力の医療事故に対して国が補償する制度を小児青少年科に拡大適用する案が推進される。現在、国会には分娩事故に限って施行されている国家補償制度の適用対象に小児青少年科の診療を追加する内容の医療紛争調停法改正案が発議されているが、政府がこれに賛成意見を出したのだ。この改正案は、最大野党「共に民主党」議員が代表発議し、与党も異論がなく、国会通過が有力だ。

医師が小児青少年科を敬遠する理由は、少子化で小児青少年科の展望が明るくないこともあるが、何より訴訟の負担が大きいからだ。子どもは小さいので手術が難しいだけでなく、結果が悪ければ法廷争いにつながることが多く、期待余命による補償額も数億ウォンに達する。小児青少年科専攻医の採用率は2017年、梨花(イファ)女子大学木洞(モクトン)病院の新生児感染死亡事件を機に急減し始め、今年は25.5%まで低下した。当時、拘束された医師はすべて無罪判決を受けたが、小児青少年科の求人難は解消されず、12年後には小児心臓外科の専門医が17人しかいなくなるという。出産や養育に関連する不可抗力の医療事故では、医師の負担を軽減し、国の責任を強化する必要がある。

医療訴訟に対する不安感は産婦人科と小児青少年科だけの問題ではない。患者の命を救う手術を行う外科医は、「刑務所の塀の上を歩いている」と自嘲する。善意を持って行う医療行為でも、結果が悪ければ刑事処罰まで覚悟しなければならないため、立場が狭くなり、危機的な状況で積極的な治療を躊躇するしかないということだ。大韓医師会は、韓国は業務上過失致死傷罪で起訴される医師が1日平均2人だが、英国は1年に1人だとし、最善を尽くして診療して発生した事故に対しては、刑事処罰を免除するよう求めている。先進国のように、医療事故に備えて医師の医療賠償責任保険の加入を義務づけることも検討する価値がある。

政府は最近、必須医療の崩壊を防ぐために医療陣の訴訟リスクの緩和を約束し、医療界や法曹界、患者団体などが参加する医療紛争制度改善協議体を設立した。患者と医療陣の間の円滑な意思疎通で医療紛争を事前に防止する一方、医療事故発生時に被害者を迅速に救済し、過失のない医師の訴訟負担を緩和して再発防止と後続対策づくりに集中できるよう、合理的な医療紛争解決制度を設計することを期待する。