イスラエル軍が2日(現地時間)、イスラム組織ハマスのガザ地区内の本拠地であるガザシティに進撃し、市街戦を繰り広げた。先月7日から始まったイスラエルとハマスとの衝突から約1ヵ月が経過し、イスラエル軍がハマスの秘密の地下壕の破壊に乗り出したことで、ハマスの中心部で本格的な戦闘が起こった。イスラエル軍は同日だけで約130人の武装勢力を射殺したと明らかにした。しかし、イスラエル軍が3日連続でガザ地区最大規模の難民キャンプであるジャバリアに砲撃を浴びせるなど、パレスチナ民間人の被害が拡大しており、ブリンケン米国務長官は3日、イスラエルを訪れ、人道的な戦闘停止を迫る見通しだ。
●イスラエル、ガザシティを完全包囲
イスラエル軍のハガリ報道官は2日、記者会見で、「ハマスの中心地であるガザシティへの包囲を完了した」とし、「ハマスの前哨基地と本部、さらなるテロの基盤施設を攻撃し、近接戦でテロリストを排除している」と明らかにした。イスラエルのネタニヤフ首相も同日、声明で「作戦の頂点に達している」とし、「素晴らしい成功を収め、ガザシティ郊外を通過した」と明らかにした。
英紙フィナンシャル・タイムズは、衛星写真などからイスラエルがガザシティを完全に包囲したようだと報じた。ガザシティの西側は地中海に接しているが、ここを除く残りの陸路3方向をすべて軍事的に封鎖したということだ。イスラエル空軍と海軍は同日、大規模な空爆でガザシティを爆撃し、地下豪100ヵ所を破壊した。イスラエル軍は、陸軍工兵隊が人工知能(AI)を使って攻撃目標を確認し、現在までに1万2千個以上の標的を攻撃したと主張した。
このような中、イランの支援を受けるレバノンのヒズボラとイエメンの反政府勢力「フーシ派」に続き、シリアで活動していたイラン革命防衛隊がヒズボラを支援するためにレバノン南部に配置され、紛争拡大の可能性も高まっている。
●米国、戦闘の一時停止を重ねて要請
イスラエルの攻勢が激化する中、パレスチナ民間人の被害も拡大している。同日、ガザ地区保健省は、今回の戦いで少なくとも9061人が死亡したと明らかにした。このうち18歳未満の未成年者は3760人にのぼった。
空爆が集中したジャバリア難民キャンプでは、主要な病院で発電機が停止した。保健省は、「酸素発生器と遺体保管所の冷蔵庫の電源を切らなければならない状況」とし、「今後、電気や燃料を確保できなければ大惨事に直面することになる」と話した。
人道的危機が高まる中、バイデン米大統領が前日、「戦闘の一時停止」の必要性に言及し、米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報担当調整官も同日、ホワイトハウスの記者会見で、「戦闘の一時的な停止」について「ガザ地区に支援を運び込み、人質を含めた民間人を安全に退避させるため、必要なだけ求めていく」との考えを示した。
ブリンケン氏は同日、イスラエルに出発する前に、「イスラエルとパレスチナ双方に持続可能な平和条件である『2国家解決』を議論する」と述べた。3日にイスラエルに到着するブリンケン氏は、ネタニヤフ氏に会ってこのような立場を伝えるとみられる。
外国国籍者や二重国籍者の脱出行進は続いている。ガザ地区南部とエジプトを結ぶラファ国境検問所で避難民の出国が許可されてから2日目となる2日、計344人がエジプト側に入った。
共和党が主導する米下院は2日、バイデン氏が求めるウクライナとイスラエルを支援するための緊急予算を拒否し、イスラエル支援に限定した予算案を可決した。
パク・ヒョモク記者 tree624@donga.com