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与党の圧力に「国際標準」と言っていた空売りを禁止した金融当局

与党の圧力に「国際標準」と言っていた空売りを禁止した金融当局

Posted November. 07, 2023 08:29,   

Updated November. 07, 2023 08:29

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金融委員会は、昨日から来年6月25日まで、株式市場で空売りを全面禁止する措置を出した。空売りに対する個人投資家の不満が大きくなると、一昨年5月以降、コスピ200やコスダック150銘柄に限って許容していた空売りを全て禁止する劇薬処方を下した。その影響で、昨日の株式市場は取引が一時停止するほど高騰した。しかし、総選挙を5ヵ月後に控えて出た今回の措置で、長期的に外国人投資は減り、証券市場の先進化はさらに遠ざかるだろうという指摘が出ている。

空売りとは、株価の下落が予想される株式を証券会社から借りて売却し、株価が下がった時点で安値でその株式を買って返済し差益を得る投資手法だ。株価が下がってこそ利益を上げることができ、外国人と機関投資家が主導しているため、個人投資家らは低い株価の主犯と指摘してきた。香港所在の外資系投資銀行(IB)2ヵ所が株式を借りずに空売りする違法取引をしてきた事実が最近摘発され、そのような疑いは事実として確認された。

問題は、純機能も少なくないという点だ。明確な実績なしに高騰した銘柄に対する空売りは、株価バブルを取り除き、本来の価格を取り戻す役割を果たす。モルガンスタンレーキャピタルインデックス(MSCI)の先進国指数の編入条件に、「自由な空売り許容」が入っているのは、海外投資家が安心して投資するためにはこの制度が必要だと見ているためだ。同じ理由で、金融委は禁止世論が高まる度に、「空売りは、グローバルスタンダードだ」と反対してきた。

先週末、与党の「国民の力」が非公開政府与党協議を通じて強い圧迫をかけると、金融当局はこのような主張を覆した。与党と金融当局は、「局所麻酔ではなく、全身麻酔手術が必要な状況だ」という理由を挙げた。だが、国会会議中に、「金浦(キムポ)の次は空売りでフォーカシングしようとしている」という与党議員の携帯メールの内容が捕捉されるなど、この措置は総選挙戦略の一環という点を国民の力はあえて隠さずにいる。不法空売りは根絶しなければならない犯罪だが、不法行為が発生したからといって、市場の主要機能を停止させる先進国の証券市場は見当たらない。

経済協力開発機構(0ECD)の加盟国のうち、空売りを禁止した国は韓国とトルコの2か国だけだ。2008年のグローバル金融危機、2011年の欧州財政危機、2020年のコロナ禍の時は、国際的危機という名分があったが、今はそうでもない。韓国証券市場の格を落とす事態が二度と再現しないよう、再手術が必要ないほどの制度改善が8ヵ月余りの禁止期間中に行われなければならない。