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資源の兵器化が進む中で「サプライチェーン法」を1年以上先送りした国会

資源の兵器化が進む中で「サプライチェーン法」を1年以上先送りした国会

Posted November. 09, 2023 08:54,   

Updated November. 09, 2023 08:54

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先端産業を育成し支援するための法案が,国会の敷居を超えないまま置き去りになっている。電気自動車バッテリーの素材である主要鉱物の安定的な確保策を盛り込んだ「サプライチェーンの安定化支援法」だけでも、昨年10月に発議されて以来、今まで係留状態だ。主要国の資源兵器化の動きが激しくなる状況であるにもかかわらず、対応のための制度的枠組みの構築が遅れている。これを含め、未来産業などの分野の主要法案のうち、1年以上国会で眠っているものだけでも17件に上るという。

サプライチェーンの安定化法は、鉱物や原材料など、経済安保の主要品目の管理コントロールタワーの役割を果たすサプライチェーン安定化委員会の設置、サプライチェーンの危機への対応マニュアル作成、安定化基金の調達などの内容を盛り込んでいる。韓国が世界市場を主導する半導体とバッテリー産業の場合、主要鉱物と部品の安定的な確保がカギだという点で、早急な処理が求められる法案だ。しかし、委員会をどこの傘下に置くかなどをめぐって、与野党が異見を示す過程で審査順位が下がった。

その間、中国は8月、ガリウムとゲルマニウムの輸出統制に乗り出したのに続き、先月はバッテリー陰極製のコア素材である黒鉛を追加で含ませた。最近はレアアースの輸出業者に輸出情報の提出を要求し、統制強化を示唆した。米中間の技術覇権競争と経済報復、相互報復の神経戦の中で、グローバルサプライチェーンのリスクが急速に大きくなっている。韓国の対中依存度が80%を超える主要鉱物の供給が途絶えれば、最悪の場合、関連分野の産業活動が止まってしまう可能性も排除できない。

他の産業関連法案の状況も変わらない。企業各社が社内大学院を設立し、人工知能(AI)などの先端分野の人材を直接育成できるよう支援する「先端産業人材革新特別法」は、5月の発議以来、まだ常任委に縛られている。「宇宙航空庁設置特別法」も、誘致地域を巡る神経戦で議論が続いている。グローバル競争が激しい上、大規模な投資が必要で立法的支援が切実な分野だという点を勘案すれば、呑気な速度だ。

法案が可決しても、後続の細部手続きを踏んで実際の履行効果を見るまでには少なくない時間がかかる。対外的には主要国の鉱物確保戦とそのための合従連衡などが激しく行われている。政府と企業がこれに対応する基本的な枠組みさえ設けないのは、国会の職務遺棄だ。与野党は関連法処理の緊急性に背を向けたまま、政治的争点法案だけをめぐって言い争う余裕などない。未来の成長エンジンを育成する非争点法案だけは、適時に処理するのが国民に対する最小限の道理だ。