「朴敍俊(パク・ソジュン)はどんなふうに、どのくらい登場するのか」で韓国国内ファンの期待を集めたマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の映画「マーべルズ」が、8日ベールを脱いだ。朴敍俊は、主人公キャプテンマーベル(ブリー・ラーソン)の夫であるアラドナ惑星のヤン王子役を演じた。噂通り、たった3シーンに短く登場するが、マーベル映画でハリウッドに目印をつけることになり、今後の海外進出が注目される。
ニア・ダコスタ監督(34)は7日、テレビ懇談会で、「パンデミック期間中にドラマ『梨泰院(イテウォン)クラス』(2020年)を見ることになり、朴敍俊が目に入った」と話した。さらに、「ヤン王子のキャラクターには朴敍俊がうってつけだと思って、キャスティングすることになった」とし、「(ヤン王子は)出番は少ないが、インパクトのある重要な役割だ」と話した。氏は、「朴敍俊はとても面白い人で、現場に良いエネルギーをもたらす人だ。ものすごい才能のある俳優だ」と付け加えた。
ダコスタ監督は、ハリウッドで注目される新鋭監督だ。ダコスタ監督は10代の時、韓国文化に夢中になり、「私の名前はキム・サムスン」(2005年)、「ソウルメイト」(2006年)、「コーヒープリンス1号店」(2007年)など、韓国ドラマだけでなく、韓国芸能も楽しんだ。氏は「ユ・ジェソクが一番好きだ」とし、「韓国ドラマや映画、音楽など、ジャンルを問わず夢中になった」と話した。
氏が描いた「マーべルズ」は、気持ちよく疾走するジェットコースターのようだ。短いが強烈で、スピード感に溢れている。ランニングタイムは105分で、これまでのMCU映画の中で最も短い。映画は、孤独なキャプテンマーベルが、長年の友人の娘であるモニカ・ランボー(テヨナ・パリス)、自身の熱血ファンであり、「ミズ・マーべル」である女子高生カマラ・カーン(イマン・ヴェラーニ)とともに繰り広げられる話を盛り込んでいる。3人は、キャプテンマーベルに復讐しようとするクリー族リーダーのダー・ベン(ザウェ・アシュトン)のため、超能力を使う度にお互いのいる場所が変わる。ダー・ベンは、自分の惑星ハラを再建するために、ヤン王子(朴敍俊)が住む惑星アラドナの海水を略奪しようとし、キャプテンマーベルは、法的夫であるヤン王子にこの事実を知らせるために惑星アラドナに向かう。
3人はあっという間にいる場所が変わり、それによって起こるハプニングが面白さを与える。3人がお互いに愛情を持ち、一つのチームに変わっていく姿にも穏やかな感動がある。しかし、モニカ・ランボーとカマラ・カーンの叙事が映画では初めて紹介されるが、展開速度が速く、理解し難い地点がある。MCUが世界観を拡張し、慢性的な問題として指摘された部分だ。
映画は、それぞれの叙事に時間を割くよりは、3人のヒーローのチームワークと娯楽性に重点を置く方法を選んだ。ヴィランのアシュトンもやはり、「サノス」ほどの深い印象は残せなかった。朴敍俊が演じたヤン王子は、アラドナ族が歌で会話するという設定のため、まともな台詞がない。歌とダンスを見せてくれるが、その設定は面白くもなく、素敵でもなく、多少中途半端だ。出演時間は5分足らずだ。主演のキャラクターが皆女性だという点も、好き嫌いが分かれそうだ。
目を引くのは、滑稽なことに猫のグースとその子猫たちだ。危機に陥った宇宙ステーションの隊員たちを猫たちが救うという設定は、可愛くて奇抜だ。MCUの5番目のフェイズ(大きなストーリーラインを段階別に区分したもの)のアイデンティティを表わすには多少足りないが、マーベルが新しいクリエイターたちと変わった試みをしているという点は注目に値する。
崔智善 aurinko@donga.com