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尹政権発足1年半、残り3年半

Posted November. 10, 2023 09:08,   

Updated November. 10, 2023 09:08

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尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が今日で就任1年6ヵ月を迎えた。これまで、韓米同盟の修復など、いくつかの変化を語るのが憚られるほど、内外で難題が山積している。国内的には、公正と常識の回復という大統領の公約が政策の推進方式と公職人事で適切に実現されたかどうか疑問だ。検察出身の重用、野党に対する検察捜査が大きく浮き彫りになった一方、経済活性化、民生対策は後回しにされた。巨大野党の非協力や反対で国会機能が停止したこととは別に、国政を担当した現政権の責任が大きい。

国政の乱脈ぶりは支持率にあらわれている。尹氏は49%の得票で当選したが、就任2ヵ月で30%台に落ちた後、1年以上反転のきっかけをつかめずにいる。多くの支持層が国政の基調やスタイルに失望し、心を閉ざしたということだ。大統領府を離れて龍山(ヨンサン)に行くといって出した約束は守られたのか。まだ帝王的で、より近くで参謀の意見を聴くという決意も薄れているのではないか。また、文在寅(ムン・ジェイン)政府と比較して批判を避けるような態度も疲労感を与えた。梨泰院(イテウォン)雑踏事故など各種事件事故、政策の混乱などに対しても厳しい責任を問わなかった。「責任ある人に厳しく問わなければならない」という1年前の大統領の考えが今も有効なのか疑問だ。

国民は問うている。この1年半の間に韓国が正しい道に入り、大統領は健全なリーダーシップを発揮したのか。尹氏は今夏、「理念が最も重要」であり、「閣僚は戦うためにその地位にいる」と述べた。大統領が民心から離れた反証ではないのか。大統領は、江西(カンソ)区長選挙の敗北後に「国民はいつも無条件に正しい」と言った。納得できる政策人事と意思疎通方式の変化が急務だ。

政府与党に押し付けることはない。大統領、その周辺から変わらなければならない。大統領はメディアの質問を受けてから1年が経ち、公式記者会見も昨年8月以降なかった。どんな基準で見ても正常ではない。大統領候補のように民生現場で市民の要求を聴くだけでは不十分だ。新冷戦時代の中国外交、野党との協治、国民年金改革の方向など、大統領が答えなければならない質問が山積している。何よりも人事スタイルを変えなければならない。誰が公職に重用されるかは、大統領がどのような人を人材とみなすかを示している。より広く人材を求め、感動するような起用があるときこそ支持率は回復するだろう。

残された任期は3年半だ。力強く働ける時期は2年余りかもしれない。尹氏が就任時に約束した労働年金と教育改革はどれも簡単なものではない。改革の結果、恩恵が減る層は反発するだろう。このような大きな課題を遂行するには、政策の推進がもっと繊細で大胆でなければならない。また、説得力のある説明をしてこそ、国民は不便と不利益に耐えることができる。その最前線に尹氏はいる。退任後、どのような大統領として記憶されるかは、どれだけ変わるかにかかっている。