来年、ギャラクシースマートフォンの新製品に「リアルタイム通訳」機能が搭載される。音声通話をする際、韓国語で話すと、続いて英語、中国語などに通訳された音声が相手に伝えられる仕組みだ。逆に相手が自分の言語で話したことも韓国語に通訳されて受信される。スマートフォンにこのような独自のリアルタイム通訳機能が搭載されるのは初めて。
サムスン電子は9日、来年初めに公開する次世代フラッグシップスマートフォン「ギャラクシーS24」に、「オンデバイス人工知能(AI)を通じた多様な機能を提供する予定だと明らかにした。サムスン電子は前日、独自生成型AIモデル「サムスンガウス」を披露し、言語、コード、イメージを生成するモデルを公開した。
様々な機能の中で最も関心を集めたのはリアルタイム通訳だ。ギャラクシーAIスマートフォンの使用者が普段使う言語で話すと、相手の言語に通訳してくれる機能だ。通訳された会話は、音声だけでなく、スマートフォン画面の文字でも確認できる。韓国人の使用者が米国人と通話する際、「こんにちは、私は来週の水曜日に到着します」と話すと、続いてすぐに「Hi, I'll arrive next Wednesday」と音声で伝えられる。通話相手の米国人が英語で話すと、ギャラクシー使用者は相手の声に続いて韓国語に通訳された音声を聞くことができる。
サムスン電子は、まだ具体的な詳細機能を公開していない。まず、英語・中国語・フランス語・スペイン語など主要言語のリアルタイム通訳を提供し、対象言語をさらに拡大するとみられる。現在、サムスン電子のAI秘書「ビクスビー(Bixby)」は、11言語、5種類の音声でサービスを提供している。
サムスン電子が披露するリアルタイム通訳機能の強みは、クラウドではなく機器ベースという点だ。これまで公開された通訳・翻訳サービスのほとんどはクラウドベースだった。オンデバイスAIの場合、機器が収集した情報をクラウドに送信する過程を省略するため、情報処理速度が速い。インターネット接続が難しくても機能を活用するのに問題がない。また、会話内容が外部に漏れる可能性も低くなる。
サムスン電子は2019年11月の「サムスンAIフォーラム」で、サーバーを経由せずに機器自体でAI機能を実行するオンデバイス通訳技術を披露した。この技術を高度化し、3年ぶりに商用化製品の適用に至ったのだ。サムスン電子モバイル経験(MX)事業部開発室のチェ・ウォンジュン室長は、「モバイルAI技術がギャラクシーと有意義に融合し、新しい経験を創出し、携帯電話の役割を再定義するだろう」と説明した。
オンデバイスAI方式が可能になるためには、内部には高効率・低電力半導体が必要だ。米クアルコムは先月、オンデバイスAIをターゲットにしたモバイルアプリケーションプロセッサ(AP)の新製品スナップドラゴンを公開した。サムスン電子の半導体(DS)部門も先月、前作よりAI性能を15倍向上させたAP「エクシノス2400」を公開し、文字を画像に変える生成型AI機能を披露した。
海外のITメディアも、リアルタイム通訳機能に期待感を示した。米国のIT専門メディアGSMArenaは、リアルタイム通訳機能を紹介し、「皆さん、ギャラクシーAIの準備を」とし、「AIが世界とあなたの人生をより良く変化させる」と報じた。米Voxメディアが運営する「The Verge」は、「サムスンもAI軍拡競争に参加している」とし、「サムスンAIは次世代製品ラインナップの核心になるだろう」と指摘した。
一方、グーグルは生成型AI検索サービス(SGE)で韓国語を追加支援し始めた。サムスン電子のスマートフォンの通訳機能に加え、グーグル検索も容易になり、韓国人の言語障壁はさらに低くなることが期待される。
グーグルのSGEサービスは従来、英語、日本語、ヒンディー語のみ利用可能だった。今回追加された言語は、韓国語とともにスペイン語、ポルトガル語、インドネシア語など。グーグルは5月に生成型AI検索を初めて公開して以降、各種機能を改編してきた。
ホン・ソクホ記者 will@donga.com