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韓江氏の長編小説「別れは告げない」、メディシス賞外国小説部門受賞

韓江氏の長編小説「別れは告げない」、メディシス賞外国小説部門受賞

Posted November. 11, 2023 08:52,   

Updated November. 11, 2023 08:52

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「『別れない心』を感じてほしいです。この小説は本当に別れないという心、最後まで悼むことをやめない人たちの物語です」

小説家の韓江(ハン・ガン)氏(52)が、長編小説『別れは告げない』でフランスの4大文学賞の1つであるメディシス賞外国小説部門を9日(現地時間)受賞した後、小説のフランス語版を出したグラッセ出版社で韓国特派員と会い、このように感想を述べた。メディシス賞は、ゴンクール賞、ルノードー賞、フェミナ賞とともにフランスの4大文学賞に数えられる。

韓氏が2016年に『菜食主義者』でブッカー国際賞を受賞してから5年後の21年に出版されたこの本は、済州(チェジュ)4・3の悲劇を3人の女性の視点で解き明かした。韓氏は、「雪、雪片の質感、ろうそく、壁にゆらめく影など、軽くて柔らかいものを多く描写した」とし、「これが(私が)どのような方法で事件にアプローチしているのか、感覚的に感じてもらえたらうれしい」と話した。

重い歴史を扱ったにもかかわらず、フランスの文壇から良い評価を受けたことについて、韓氏は、「歴史の中で起きたことを扱うということは、人間の本性について質問すること」とし、「(韓国とフランスが)たとえ歴史的背景が違っても、人間として共有するものがあるので、当然、誰でも理解できると思います」と話した。

現在、ソウルを舞台にした「冬の3部作」を執筆中の韓氏は、「韓国の現代史についてはもう書きたくありません。私の小説には冬の話が多いですが、今準備しているのは冬から春に行く話になりそうです」とし、「できれば次は春から始まる話を書きたい」と説明した。韓氏は19年に第33回仁村(インチョン)賞も受賞(言論・文化部門)した。


趙은아 achim@donga.com