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米中軍事チャンネルの再開「雪解け」の糸口...韓国「外交の幅」広げなければ

米中軍事チャンネルの再開「雪解け」の糸口...韓国「外交の幅」広げなければ

Posted November. 17, 2023 08:45,   

Updated November. 17, 2023 08:45

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バイデン米大統領と中国の習近平国家主席が16日、サンフランシスコで会談し、両国間の軍事交流チャンネルを全面的に再開することで合意した。昨年8月、米下院議長の台湾訪問直後に途絶えた軍事チャンネルを15ヵ月ぶりに再開することにしたのだ。また、中国は、米国の深刻な社会問題である「ゾンビドラッグ」鎮痛剤フェンタニルの欧米流入の遮断に向けて協力することにした。バイデン氏は、「建設的で生産的な対話だった」と評価したが、両首脳は台湾問題と輸出統制など主要な懸案では明確な見解の相違を見せた。

今回の会談結果をめぐり、1年ぶりのG2首脳会談の成果としては不十分という声も多いが、これまで経済・技術・軍事などあらゆる面で対立していた米中が関係安定化のための対話の糸口をつかんだという点では意味が小さくない。特に、欧州と中東で起きた2つの紛争で国際秩序が揺れる中、米中間の過度の競争が誤判断と偶発的な衝突につながる可能性を全世界が懸念してきた。このような危機感の中、まずは両国が対立を最小限に抑えながら協力の空間を作っていくことで意見が一致したのだ。米大統領選挙を1年後に控えたバイデン氏も、中国の景気低迷に直面した習氏も、さらに安定的な管理が必要な時期でもある。

しかし、米中協力の時代を期待するのは難しい。体制とイデオロギーが異なる1、2位の国家間の競争は避けられないのが国際政治の現実だ。これまで浮上した多くの核心問題が未解決のまま放置されているのもそのためだ。さらに、習氏は、「地球は両国が成功するに十分大きい」とし、G2共同の世界秩序を主導するための「中国の座」まで主張した。韓半島問題も平行線だった。中国官営メディアによると、北朝鮮の核問題と関連し、習氏は「すべての当事者は北朝鮮の合理的な懸念に耳を傾けなければならない」と米国の責任論を繰り返したという。

米中は今、激しく争うが、流血は避けようということで一致した。まだ両国間には対立と不安要因が山積しているため、今後どのような突発的な変数が米中関係を揺るがすか分からない。ただ、米中が競争を管理しながら協力のルールを一つずつ作っていけば、韓国政府の外交的立場も一段と広がるだろう。ますます高まる北朝鮮の核の脅威と朝ロ間の危険な取引、中国の脱北者強制送還を阻止するチャンスの窓も開かれる可能性がある。韓国政府はこれまで北朝鮮の核の脅威に立ち向かう同盟結束に注力してきたが、今度は中国との関係において柔軟で弾力的な外交力を発揮する時だ。