「今後、韓国内の(工場)生産を増やす」
米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)のシルパン・アミン上級副社長が15日(現地時間)、米サンフランシスコで開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)CEO(最高経営責任者)サミットの事前懇談で、尹錫烈(ユン・ソクヨル)大統領にこのように述べた。GM側は、「韓国政府の大胆な規制改革と制度改善で企業活動に自信がついた」と話したと、崔相穆(チェ・サンモク)大統領経済首席秘書官が明らかにした。政府はこれに伴って措置を取るものとみられる。
グローバル情報通信技術(ICT)企業であるアップルのCEO、ティム・クック氏は、尹大統領と会って、「韓国の協力会社と韓国政府の助けがなければ、現在の地位に上がることは難しかった」とし、「韓国企業と1千億ドル以上の取引を成し遂げ、今後も協力と投資を継続する」と約束した。APECを機に尹大統領が「第1号営業社員」としてグローバル企業家らと相次いで会い、米国の有力企業の経営陣らは対韓投資の拡大を約束した。当初予定されていたが、延期された企業投資誘致申告式は、年内に産業通商資源部長官の出席のもと、新たに推進されるという。
● クック氏「父は韓国戦争参戦兵士」
尹大統領は同日、APECを機にGMの経営陣、米クレジットカード大手のビザのアルフレッド・ケリー会長、クアルコムのクリスティアーノ・アモン社長など有力企業家らと相次いで懇談した。GMが韓国の変化した企業環境を高く評価したのに続き、ケリー氏は、「今後、小規模事業者の金融利用サービスをデジタル化することに貢献したい」と話したという。
特に、尹大統領と会ったクック氏は、APECの行事の一つである「CEOサミット」には参加せず、尹大統領と別途の日程を組んだという。クック氏は、「韓国は特別な意味がある」と述べ、父親が韓国戦争の参戦兵士であることも明らかにした。クック氏の父親の韓国戦争参戦の話が出ると、韓国側代表団からは感嘆の声が上がったという。尹大統領は、クック氏の父親の献身に感謝し、韓国企業との協力拡大を要請した。
尹大統領は同日、「在米韓人未来世代との対話」で、「海外研究者が韓国政府の研究開発(R&D)に参加できなかった制限もなくしている」とし、「世界各地で活躍する韓人未来世代が世界的な研究者に成長できるよう、国籍に関係なく支援する」と明らかにした。政府案でR&D予算が大幅に削減された背景を踏まえ、青年、海外研究者などに対する全面的な支援に向けた質的改善と方向転換を説明したものとみられる。
● 尹大統領、習近平主席との会談で「韓米日協力成果」強調
尹大統領は16日(現地時間)、岸田文雄首相との首脳会談を最終調整した。肝心なのは韓中会談だ。米中首脳会談を終えた中国の習近平国家主席との首脳会談が実現する可能性もあるため、最後まで交渉の論理を整える構えだ。
同日の尹大統領が同胞懇談会で韓米同盟と韓米日協力に深い意味を込めたことも、韓中会談と関連づけて解釈する向きもある。尹大統領は今年4回目の米国訪問を強調し、「韓米同盟は価値同盟の柱の上に安保同盟、産業同盟、先端科学技術同盟、文化同盟、情報同盟という5つの柱を立てた」と評価した。4月の国賓訪米に伴うワシントン宣言、8月のキャンプデービッド韓米日首脳会談を通じたグローバル複合危機への共同対応にも言及した。
尹大統領は、APECのCEOサミットの基調演説では、貿易・投資とサプライチェーン、デジタル、未来世代の3分野で域内の相互連結性向上のための協力を強調した。尹大統領は、「ウクライナ戦争とイスラエル・ハマス事態、深化した技術覇権主義と資源の武器化は、世界経済のブロック化を加速させている」とし、「早期警報システムの構築などサプライチェーンの回復力に向けて各加盟国の経験を共有するなど、サプライチェーンの回復力強化をAPECの最優先課題として推進しなければならない」と強調した。
張寬錫 jks@donga.com